【処刑器具】ファラリスの雄牛とは?本当は実在しなかった説もある?

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処刑器具や拷問器具にはいろいろな種類があり、残酷な物も多くあります。

それらの中でも、ファラリスの雄牛は特に残酷な処刑器具となっています。

漫画やゲームなどにも登場することのあるため、知っている人も多いでしょう。

しかし、そのファラリスの雄牛は実在しなかったと言われることもあるようです。

では、ファラリスの雄牛とはどのような処刑器具だったのでしょうか?

また、どうして実在しなかったと言われることがあるのでしょうか?

残酷な処刑器具ファラリスの雄牛とは?

ファラリスの雄牛は古代ギリシアで使われていたと言われる処刑器具です。

処刑器具や拷問器具には残酷な物が多くありますが、それらの中でもファラリスの雄牛は特に残酷と言われています。

では、そのファラリスの雄牛とはどのような物だったのでしょうか?

ファラリスの雄牛の形状

ファラリスの雄牛はその名前の通り、見た目のデザインは牛の形です。

内部は空洞になっていて、青銅や真鍮などで作られていたと言われています。

牛の背中や脇には扉が付いていて、内部に人が入れるようになっています。

また、鼻や口の部分には穴が空いていて、人が入っても酸欠や窒息などすることはありません。

種類によっては、鼻や口の内部に管が付けられて、管楽器のようになった物もあったと言われています。

どうやって使う?

ファラリスの雄牛は内部に人を閉じこめて、牛のお腹下から炎で熱する処刑器具です。

当然、閉じこめられた人は焼かれることになります。

火あぶりの場合は、焼死ではなく足元からの煙による窒息死が多く、苦痛の時間は想像よりも長くないと言われています。

これに対して、ファラリスの雄牛は内部の人が煙でまかれることがありません。

そのため、死因は純粋な焼死です。

また、焼死までには時間がかかり煙で意識を失うこともないので、苦痛は長時間にわたって続きます。

苦しくてもなかなか死なないことから、ファラリスの雄牛は残酷な処刑器具と言われています。

なぜ雄牛の形をしている?

ファラリスの雄牛で熱せられると、内部の人はその熱さから叫び声をあげます。

叫び声は内部でこもり鼻や口などから漏れ聞こえます。

その声を外から聞くと、まるで牛が鳴き声をあげているように聞こたそうです。

鼻や口の内部に管が付けられた物は、より牛の鳴き声に近く聞こえたり、大きな音となります。

漫画やゲームなどにも登場

ファラリスの雄牛は見た目も、使い方もインパクトが強いこともあり、漫画やゲームなどの作品に登場することもあります。

ファラリスの雄牛が登場する有名な漫画の1つはデスゲーム系の漫画「嘘喰い」です。

「嘘喰い」では、ストップウォッチを使ったゲームで、敗者がファラリスの雄牛で焼かれています。

他にも、ゲーム「Devil May Cry 2」ではファラリスの雄牛をモデルにした敵がいたり、漫画「新テニスの王子様」では必殺ショットの名前に使われたりなどしています。

ファラリスの雄牛が作られた経緯

ファラリスの雄牛は作られた経緯が語り継がれています。

では、ファラリスの雄牛は誰が、どのような目的で作ったのでしょうか?

新しい死刑方法の検討

紀元前6世紀頃、古代ギリシアのシチリア島アクラガスの僭主がファラリスという名前で、ファラリスの雄牛を作った人物です。

ただし、ファラリスが考案したというわけではありません。

新しい処刑方法を取り入れたいと考えて、提案させた物がファラリスの雄牛だったようです。

ファラリスの雄牛の考案

ファラリスの雄牛の考案と提案をしたのは、ペリロスという鋳物師です。

ペリロスはファラリスに新しい処刑方法として、ファラリスの雄牛を作成して献上しました。

その後、ファラリスの雄牛は処刑方法として取り入れられ、約16年間にわたって多くの人を命を奪いました。

最初の犠牲者

ファラリスはペリロスからファラリスの雄牛を献上された際に、本人に試すように命じました。

ペリロスは使い方を説明するように命じられたと思い、自らファラリスの雄牛に入ります。

ペリロスが中に入ると、鍵が閉められて火がつけられました。

ペリロスはファラリスの罠にハマり、テストの被験者と最初の犠牲者となりました。

最後の犠牲者

ファラリスは反乱によって僭主の地位を奪われます。

その後、ファラリスは処刑されることになり、その処刑方法としてファラリスの雄牛が使われたと言われています。

また、ファラリスの雄牛による最後の犠牲者はファラリス自身となりました。

ただし、古代ギリシア時代以降にローマでも使われていたとも言われています。

ファラリスの雄牛はなかった?

ファラリスの雄牛は有名な処刑器具の1つですが、実は実在しなかったという説もあるようです。

なぜ、ファラリスの雄牛がなかったと言われることがあるのでしょうか?

実在したのか不明

ファラリスの雄牛は紀元前6世紀頃に古代ギリシアで使われていたことや、僭主ファラリスと鋳物師ペリロスの話など、いろいろな伝承は残されています。

しかし、当時の実物や詳しい記録など、明確な証拠が残っていません。

古代ギリシア時代以降にローマでも使われたとも言われていますが、その実物や記録もないようです。

明確な証拠がないことから、本当に実在したのかは不明となっています。

実物もない

ファラリスの雄牛は実物が残っていません。

伝承では、ファラリスが処刑された際にファラリスの雄牛は海に廃棄されたことになっています。

しかし、それも見つかっていないようです。

そのため、現代で見ることのできるファラリスの雄牛は実物ではなく話から再現された物です。

土器や化石などのように、破片すら見つからないことから「実際には使われていなかったのでは?」と考える人もいます。

ファラリスの雄牛で処刑はできない?

ファラリスの雄牛は人を焼く恐ろしい処刑器具です。

しかし、当時の技術力はそれほど高くありません。

そのため、金属の質や火力などの問題で、「いくら熱しても中の人は死なないのでは?」と考える人もいます。

また、「人が死なないのであれば、別の目的で作られていたのでは?」と考える人もいるようです。

別の目的としては、脅しに使われたと考えられています。

もし、実際には処刑に使えない物ということを隠し、その使い方だけを聞かされれば、多くの人が恐怖を感じるでしょう。

その恐怖は現代にまで伝わるほどなので、横に置いてあるだけでも拷問の恐怖心を高めたり、自白を強要する脅しの道具などには十分活用できたと考えられます。

ファラリスの雄牛は恐ろしい処刑器具

ファラリスの雄牛は人を焼く恐ろしい処刑器具です。

焼かれながらも、なかなか死ねず、苦痛が続くことはまさに地獄でしょう…。

ただし、実物や詳しい記録などは残っておらず、実在したのかは不明となっています。

今後、謎が解明されたり、実物が発見されることに期待しておきましょう。