2011年、中国四川省に暮らす女子高生シャオホンが、友達との待ち合わせ場所へ向かうために家を出たきり行方不明になりました。
両親はすぐに警察へ通報し誘拐事件として捜査が始まったのですが、犯人から電話や動画が送られてくるものの、なかなか進展することができず5か月が経過したころある1秒足らずの映像で一気に事件解決となっていくのです。
そこで今回は、シャオホン誘拐事件の一連の流れや犯人の動機・結末について詳しく解説していきたいと思います。
目次
シャオホン誘拐事件とは?一連の流れ紹介!

『シャオホン誘拐事件』は2011年4月5月に中国で起こった誘拐事件です。
当時17歳だったシャオホンが何者かに連れ去られ、約5か月もの間、地下室に監禁されていました。
どうしてこのような事件が起こったのか?
まずはシャオホン誘拐事件の詳細と一連の流れについて、ご紹介していきます。
超逆転スクープ6で紹介されたシャオホン誘拐事件とは?

事件が起こったのは2011年4月5日。
中国の四川省で暮らす当時17歳だった女子高生シャオホンは、友達との待ち合わせ場所へ向かったのを最後に行方不明になりました。
その後誘拐だと判明し、誘拐犯からは彼女の両親への身代金要求の電話や監禁中の映像が送られてきたことにより、両親はすぐさま警察に通報しました。
捜査を行うも手掛かりがつかめないまま5か月が過ぎたのですが、誘拐犯から届いたほんの数秒の動画がきっかけで事件は急展開を迎えることになります。
この事件は2021年1月16日の土曜プレミアム『目撃!超逆転スクープ6 』でも放送され、反響を呼びました。
1.事件発生

2011年4月5日数人のクラスメートと公園で待ち合わせる約束をしていたシャオホンだったのですが、待ち合わせ場所に現れず行方不明に。
一方家に帰ってこない娘を心配した両親は、事件翌日の4月6日になって何度も携帯に電話をかけたのですが全く繋がりませんでした。
もちろんクラスメイトや友人宅にも探しに行ったのですが、見つかることなく4月7日の朝、両親は警察に通報することになったのです。
これが158日間、約5か月にも及んだ誘拐監禁事件の始まりとなるのでした。
2.誘拐犯からの電話

警察に通報してからというもの全く進展がないまま数週間が過ぎていきました。
そして事件発生から3週間後の4月26日、父親の元に見知らぬ男から電話が入ったのです。
その男は誘拐犯で電話の内容は、
『娘は預かった。返して欲しければ7万元(当時日本円にして約84万円)を用意しろ』
という内容でした。
犯人からの電話を受け両親はすぐに警察に通報し、警察は非公開で捜査を始めたのですが、その後は犯人からの連絡が途絶えたことにより手掛かりが全くつかめない状態が続いたのです。
3.シャオホンの生死は?送られてきた動画

シャオホンの生死が気がかりになっていた両親と警察。
このままどうなっていくのかと思われていた5月9日、犯人から2回目の電話が入りました。
父親はシャオホンと話がしたいと伝えるのですが、犯人に断られてしまいます。
翌10日には犯人から3回目の電話が入り、公園にシャオホンの動画が保存されたUSBメモリを置いたと伝えてきたため、急いで公園を捜索するとゴミ箱の中にUSBが入っていました。
そのUSBに保存されていた動画には、『お父さん助けて!』と泣き叫ぶシャオホンの姿でした。
警察はこの動画をすぐに解析し監禁場所を探したのですが、再び犯人からの連絡が途絶えてしまったため、手掛かりはつかめなくなってしまいます。
しかし、警察は動画を頼りに監禁地点の特定を勧め、9月の時点で四川省資陽市雁江区南津鎮のどこか、というところまで特定作業は進んでいたとのことです。
4.1秒足らずの映像で場所を特定!

最後の電話から4か月が経過した9月4日、犯人から4回目の電話が入りました。
『明日の朝もう一度動画の入ったUSBメモリを渡す。それでも金が用意されない場合はこれが娘と会う最後になる』
と伝えてきました。
9月5日犯人が指定した場所にあったUSBメモリの動画には、シャオホンの泣いている姿があったのです。
約1秒足らずの動画だったのですが、警察は何度もこの動画を確認している中で、冒頭部分に外の風景が映し出されていることに気づきます。
その風景とは道路と畑で、恐らくは建物の入り口から外を撮影したものと思われ、監禁地点で撮影された可能性が高いと判断しました。
そして、この1秒足らずの動画で事件は一気に展開を迎えることになるのです。
5.犯人逮捕!シャオホン救出

この動画を元に警察は南津鎮でローラー作戦を展開し、ついに南津鎮湖広村4組の民家が監禁地点だということが特定されたのです。
その民家は犯人と思われる男と妻が住んでいる家でした。
9月9日、犯人を逮捕するチームとシャオホンを救出するチームに分けられ作戦が開始。
午前10時頃、まずは犯人を逮捕。
チームからシャオホンは自宅いると連絡が入ったため、すぐさま民家を捜索しシャオホンを探すのですが、なぜか姿が見当たりません。
自宅にいた犯人の妻にシャオホンの行方を聞き出し、地下室にいることが判明し鍵を入手。
地下室の鉄の扉を開けると、泣いている少女の声が聞こえてきました。
警察が踏み込みようやくシャオホンの姿を見つけるのですが、シャオホンは気が動転し泣きながら『お父さん、お父さん』と泣き叫ぶばかりでした。
6.監禁場所の地下室の悲惨な現状と事件の結末

シャオホンが監禁されていた地下室はわずか数平方メートル、高さ3メートルほどの広さで、窓もなく直径10センチの配水管が通風口としてあるだけで、汚れておりひどい臭いでした。
そんな地下室でシャオホンは足に鎖をつけられ、158日(約5か月)もの間、時折与えられた食べ物や飲み物で過ごしていたとのこと。
その時の悲惨な光景は、警察も涙を流すほどだったと後に明かしています。
逮捕された犯人の名前と動機は?

約5か月もの間、シャオホンを監禁し肉体的・精神的に苦痛を与えた今回の誘拐事件。
逮捕された犯人の名前と動機は一体何だったのでしょうか。
5か月少女を監禁した犯人は?

今回、シャオホンを誘拐した張本人の名前は『チョウピンガン』とその妻『李民』。
2人には小さな娘が1人いたといいます。
しかし、実際に住んでいたのは妻の李民と娘の2人で、チョウピンガンは成都まで出稼ぎに行っており、普段は成都で住んでいたそうです。
バス会社でトラック運転手をしていた

犯人のチョウピンガンは成都のバス会社で牽引トラックの運転手として働き、妻の李民は自宅で娘の世話をしていたとのこと。
逮捕の日、チョウピンガンはいつものように仕事に出かけていたということなので、逮捕するために警察は成都に向かいました。
その後予定通り、チョウピンガンを逮捕することができたのです。
犯人の動機は金品目的の計画的犯行

チョウピンガン夫妻が犯行を起こした動機に『金が欲しくて計画した』と供述。
実は2年前に家を修理した際、地下室を作っており身代金目当ての誘拐は前から夫婦で話し合っていたとのこと。
かなりの長期に渡り誘拐事件を計画していたことがわかります。
そして慎重に計画した結果、2011年4月5日に実行したのでした。
シャオホン誘拐事件の犯人はどうなった?死刑の噂も?

無事シャオホンの身柄を確保でき事件は解決したのですが、その後の犯人はどうなったのでしょうか。
一部では死刑という噂もあるようなのですが、本当なのか調べてみました。
中国の裁判はスピード判決?

当然、誘拐罪で裁判になったチョウピンガン夫妻。
どんな判決が下されたのか探ってみたのですが、その後の情報は全くありませんでした。
中国の裁判はスピード判決のイメージがあり一審は半年以内、二審は3か月以内に結審するという規定もあります。
実際の裁判では、2か月で結審することもあるとのこと。
チョウピンガン夫妻は2011年に逮捕されているため、早ければ2011年年末までか2012年早々に判決が下されているかもしれません。
判決は懲役5年から10年が濃厚?

既に判決が下されていると思われるチョウピンガン夫妻ですが、中国の現行法では女性・児童の誘拐・人身売買に対する刑罰は懲役5年から10年。
そのため当時から現行法が変わっていなければ、チョンピンガン夫婦も懲役5年から10年が濃厚ではないかと言われています。
しかし一部では『刑が軽すぎる』という声があがっていることから、婦女誘拐・人身売買に対する最高刑を『死刑』に引き上げることを提案しているとのこと。
そのためチョウピンガン夫妻にも死刑の噂が浮上したようなのですが、当時はまだ死刑の話が出ていなかったため、現行法のままの刑罰が妥当であると言えるでしょう。
となれば、既に釈放されて普通の暮らしをしているかもしれませんね。
シャオホン誘拐事件のその後は?シャオホンは現在も元気?

犯人のその後も気になるところですが、一番気になるシャオホンのその後について探ってみました。
現在も元気なのでしょうか。
結果、シャオホンのその後の情報は見当たりませんでした。
事件が起こったのは2011年で当時シャオホンは17歳だったので、現在は39歳か40歳。
結婚し、子供がいてもおかしくない年齢かもしれません。
しかし5か月も監禁されていた事実があるため、それがトラウマとなり精神疾患を患っていることも考えられるのではないでしょうか。
精神疾患でも元気に過ごしている方もいるので、シャオホンもそうなっていてくれればいいなと思います。
【まとめ】シャオホン誘拐事件の概要と犯人・シャオホンの動機やその後

今回は、2011年4月5日に起こったシャオホン誘拐事件についての詳細をご紹介してきました。
5か月もの間、暗く汚い地下室に監禁されていたシャオホンの恐怖を考えたら犯人が憎くて仕方ない心理になってしまいますね。
シャオホンの現在については残念ながらわかりませんでしたが、元気に過ごしていてくれたら嬉しいなと思います。