「クロスジヒトリ」とは、東南アジアやオーストラリアの一部に生息する「蛾」の仲間です。
一般的によく見る蛾も、羽に独特の模様がついており気持ち悪く思う方が多いのではないでしょうか?
このクロスジヒトリは通常の蛾をさらに凌駕する程の独特な見た目をしています。
SNSなどでは「宇宙からやってきた生物」なのでは、と囁かれていたりする「クロスジヒトリ」の生態やその見た目などについて解説していきます。
目次
最強に気持ち悪い!クロスジヒトリとは?日本での生息地は?!
「クロスジヒトリ」は東南アジアやオーストラリアの一部に生息すると冒頭でご紹介しましたが、日本にも生息してるそうです。
通常でも苦手な方が多い蛾をさらに上回る「最強に気持ち悪い」と言われる、クロスジヒトリは一体どのような見た目をしているのでしょうか。
クロスジヒトリの生態と、日本の生息地域について解説していきます。
クロスジヒトリの生態は?
クロスジヒトリの成虫は、黒っぽい筋が特徴的な茶色い前翅をもっています。
オスの腹部先端には「コレマタ器官」という、膨らませると腹部の長さを上回る程長くなる器官が4本あります。
この4本の器官が非常にグロテスクな見た目をしており、名前の由来にもなっているそうです。
羽を広げた時の大きさは4cm程ですが、触手を伸ばすことで倍以上に大きくなり、グロテスク度合いもより大きくなるのす。
Arctiine Moth
(Creatonotos gangis) pic.twitter.com/nyjbdaiuAl— AUK Media (@AUK_Media) October 20, 2017
クロスジヒトリの毛深い4本足が気持ち悪い!
4本の「コレマタ器官」はオスのみが持っている触手で、フェロモンを放出する器官です。
コレマタは通常時は腹部の中に納まっており見ることはできませんが、繁殖期になるとオスはメスを誘うために、腹部から4本のコレマタを出し求愛行動を始めます。
その求愛行動をしている見た目が、この世の生き物とは思えないグロテスクな見た目なのです。
クロスジヒトリの個体によっては、触手が通常の体長よりも大きくなる個体差も見られるそうです。
クロスジヒトリは日本に生息している?
クロスジヒトリの生息地域は、インドネシア東部やインド、タイ、中国、台湾などの東南アジアや東アジア、ニューギニア、オーストラリアの一部に生息してます。
そんなクロスジヒトリですが、日本でも一部の地域で生息していることが確認されています。
主に沖縄に生息しており、一般的によく見られる蛾として知られているそうです。
クロスジヒトリは沖縄以外にも出没?!
さらに沖縄以外でも生息しており、「西表島・屋久島・奄美大島・久米島・宮古島・石垣島」などでも確認されています。
なぜここまで広がっているのかというと、他の地域から飛ばされてきたという情報が有力なようです。
九州でも同じように飛ばされてやってきている可能性が高いようで、徐々に日本に全域に広がる可能性もあるのかもしれません。
クロスジヒトリは成虫以外も驚愕の気持ち悪さ!
成虫の4本の触手はとてつもなく気持ち悪いですが、成虫以外も気持ち悪いと言われています。
クロスジヒトリの分類は、トモエガ科ヒトリガ亜科に属するヒトリガの仲間で「完全変態昆虫」という、4つの成長段階がある昆虫になります。
成虫時だけでなく前段階でもすでに気持ちが悪いという、クロスジヒトリの卵・幼虫・さなぎ時代の特徴について解説していきます。
クロスジヒトリの卵が気持ち悪い!
ヒトリガの仲間は、7月頃にごく薄い「エメラルドグリーン」の粘着性のある卵を産むそうです。
一般的に普通の昆虫は葉の裏側や見つかりにくい場所などまとめて卵を産み付けますが、ヒトリガはそのようことはせず、様々な場所に産み付けるそうです。
さらにその産み付けられた「エメラルドグリーン」の卵は1か所にビッシリと産み付けられており、集合体恐怖症の方は、見ることを控えた方がいいかもしれません。
クロスジヒトリの幼虫はもっと気持ち悪い?!
卵はやがて幼虫へと成長します。
幼虫は大きい毛虫になり、全身黒・茶色の毛がみっちりと生えており「たわし」のような姿をしています。
その見た目から「クマケムシ」と呼ばれており、超高速で移動するので一瞬「小さいネズミ」と勘違いしてしまう方もいるそうです。
クマケムシは食べ物を求めたり「さなぎ」になるための場所を探して活発に動き回ります。
クロスジヒトリのさなぎはうんちのような見た目という声も?!
幼虫はさなぎになるための場所を見つけると、まゆを作り「さなぎ」になる準備を始めます。
まゆの作り方は自分の毛と吐き出す糸で作りだされ、見た目は綿ぼこりのようで奇麗な繭ではありません。
そのまゆなかで「焦げ茶色」のさなぎになります。
時間が経つにつれて色が濃くなっていき、羽化に向けて成長していきます。
さなぎは5cm程になるので、動物の排泄物にも見えるとの声もあるそうです。
クロスジヒトリに毒はある?
幼虫は毒々しい全身黒・茶色の毛でビッシリと覆われています。
一見毒々しく見える幼虫ですが、実は毒を持っていないそうです。
ネットを検索してみると幼虫に素手で触っている画像を見つけることが出来ます。
体質によって「かぶれる」こともあるかもしれないので、見つけても素手で触るのは控えましょう。
クロスジヒトリは害虫?
全ての生物は、生きるために「食べ物」を食べなければ生きていけません。
「クロスジヒトリ」の幼虫は多食性で「落花生・米・サツマイモ・モロコシ属・シコクビエ・トウジンビエ・コーヒー・アルファルファ・ザクロ」など多くの作物を食べてしまう害虫に分類されます。
変態する昆虫はさなぎになり越冬することが多いのですが、クロスジヒトリの幼虫は幼虫のまま越冬するので、食欲旺盛なのかもしれません。
クロスジヒトリがむしろ神秘的だという声も?!
クロスジヒトリについて、4つの「変態段階」全てにおいて気持ちが悪いと解説してきました。
しかし反対に「神秘的」という声もあり熱烈なファンもいるそうです。
気持ち悪いと沢山解説してきましたが、気持ち悪いを通り越して「神秘的」「美しい」というクロスジヒトリについて解説していきます。
クロスジヒトリは気持ち悪いを通り越して美しい?!
Twitterで検索してみると「不気味さもまた人の感情を強く揺さぶる手段のひとつなのだと主張したい」
クロスジヒトリ Creatonotos gangis (Linnaeus, 1763)
図鑑でその姿に度肝を抜かれてから十数年、やっと出会えた…
ネット上ではなぜかやたらと有名だが実物を見た人間は少ないのではないだろうか
不気味さもまた人の感情を強く揺さぶる手段のひとつなのだと主張したい pic.twitter.com/2S4CyqSEE8— 灯原 (@moth_ak) October 29, 2020
「クロスジヒトリ、美しいな。自分の家の中で出会ったら、まずはうわっとか叫んでしまうとは思うけど」
クロスジヒトリ、美しいな。自分の家の中で出会ったら、まずは「うわっ」とか叫んでしまうとは思うけど
— 832F (@calva_wolf) July 7, 2019
といった不気味さが逆に神秘的というコメントが見つかりました。
触手を伸ばした姿は、地球上に存在しない「生物」のようで気持ちが悪いとの声が多い一方で、このような「神秘的」「好き」といったファンも確実にいるということが分かりました。
クロスジヒトリには「気持ち悪さ」を凌駕する魅力があると言うことなのでしょう。
クロスジヒトリを擬人化するファンも!
クロスジヒトリを「擬人化」してしまったファンの方もいるというのです。
擬人化されたクロスジヒトリの姿は、妖艶という言葉がピッタリはまる容姿をしています。
Twitterで検索すると、様々な擬人化されたクロスジヒトリが確認できます。
どれも実際のクロスジヒトリの特徴をよく捉えて描かれているにもかかわらず、気持ち悪くありません。
先ほどTLに流れてきた蛾を擬人化してみました。
クロスジヒトリ、グロテスクでインパクトのある見た目で好きです。 pic.twitter.com/OikfQ7xpzk— 雲つまみ (@ruri_tateha612) December 28, 2018
閲覧注意「クロスジヒトリ」の真実!
クロスジヒトリの4本の触手は、グロテスクな内容が苦手な方は見ない方がいいでしょう。
しかしながらこの4本の触手はオスがメスを誘い出すために重要なフェロモン器官でした。
この触手がなければ、クロスジヒトリの繁殖はなかったということです。
この記事で興味が出てきた方は「閲覧注意」ではありますが、検索してみてはいかがでしょうか。