1955年の7月2日、ニューヨーク発マイアミ行きのパンアメリカン航空914便が、突如失踪してしまうという謎の航空事故が発生。
事故から60年以上経過していますが、これまで様々な憶測が流れていて現在に至るまでその真相についてはわかっていません。
都市伝説では、37年後の1992年にカリブ海上空に当時のパイロットや乗客を乗せたまま、突然現れたと言い伝えられています。
このニュースは実際に「WEEKLY WORLD NEWS」で記事になっていたようです。
実在したパンアメリカン航空914便に何が起き、機体は一体どこに消えてしまったのでしょう。
今回は、パンアメリカン航空914便失踪事件をついて詳しく解明していきましょう!
目次
パンアメリカン航空914便が37年後に着陸した失踪事件とは?
パンアメリカン航空914便失踪事件は、現在に至るまで詳しいことがわかっていない謎の飛行機失踪事件です。
驚くことに、この失踪事件は最初から無かったことになっていたり、事故から37年後にとある空港に着陸していたという情報もあったりなど、その謎は深まるばかり。
都市伝説として有名になったパンアメリカン航空914便失踪事件はアメリカやカナダで発行されている週刊タブロイド紙「WEEKLY WORLD NEW」でも紹介されました。
謎多き、パンアメリカン航空914便失踪事件について詳しく紐解いていきましょう。
パンアメリカン航空914便失踪事件とは?
パンアメリカン航空914便失踪事件とは、1955年の7月2日にニューヨーク発マイアミ行きのパンアメリカン914便が突如レーダーから消えて失踪してしまった事件です。
消息を絶った後から懸命の捜索をしたにもかかわらず、飛行機の残骸はおろか目撃情報も一切無く、真相は闇の中になっていきました。
結局この事故は、大した証拠物も見つからないまま乗客乗員61名全員が死亡という結論で片付けられることになります。
現在でもこの事件は、謎多いミステリーとして語り継がれている航空事故です。
事件の始まりは晴天だった?
1955年7月2日に起こったとされる失踪事件。
アメリカの夏休みは6月から始まり、7月というのは旅行客もたくさんいたとされています。
この時期のニューヨークやマイアミは真夏にあたり、雨も多い気候です。
しかし、噂によると「晴天だった」とあり、いつもと変わらない「夏の晴れた日」でありフライトに関して何の問題もない日だったのでしょう。
少なくとも気象状況によって機体に問題があったとはやや考えづらい状況だったようです。
突然レーダーから姿を消した?
1955年7月2日、ニューヨークからマイアミに到着する予定だったパンアメリカン914便は、突如何の前触れも無くレーダーから姿を消してしまいました。
事件の起きた日のフライト条件はよく、天気も何の問題もなかったようです。
パンアメリカン914便には、57人の乗客、機長や副機長など業務員4名が乗っていました。
問題なくニューヨークを飛び立ったパンアメリカン914便ですが、到着時刻を過ぎてもマイアミに姿を見せることはありませんでした。
実は、パンアメリカン914便はカリブ海上空でレーダーから消えたとされています。
この段階で広く、パンアメリカン914便の捜索が始まったようです。
- MAYDAY(メーデー)・・・遭難通報
- PAN-PAN(パンパン)・・・緊急通報
飛行機は常にどこかの管制機関とコミュニケーションを取りながら飛行します。
そのためパイロットは自機が緊急事態に陥った場合、管制機関に上記のようなワードを入れながら通信を行いますが、当機の機長からは緊急通報はなかったようです。
遭難信号など何も無く忽然と消えてしまったので、当時のマイアミ空港の管制官たちは何が起こったのかただ困惑するだけだったようです。
乗客乗員61名全員が死亡?
パンアメリカン914便のルートは、ニューヨークから南に下る、ほぼまっすぐに飛ぶルートのため、墜落したとしてもすぐに見つかるはずです。
しかし、レーダーから消えたあたりで捜索が行われましたが、結局機体の残骸も乗客の遺体も見つかりませんでした。
この捜索は海上からと空からと、数週間も続けられたといわれています。
しかし、なんの痕跡も見つからず捜索隊は、これ以上は何もわからないとして914便は墜落、乗員乗客61名生存者なしと結論づけられることになりました。
証拠も何一つないまま捜査が終わってしまったので、遺族にとっては何とももどかしい結末になってしまったのです。
パンアメリカン航空914便が37年後に着陸?
そして事故から37年が経った1992年9月9日、南米ベネズエラの首都カラカスのカラカス空港で、管制塔のレーダーに突如着陸予定のない飛行機が出現。
それから、突如レーダーに映った飛行機の機体を見た瞬間、管制官達は信じられない光景を見ることになります。
何と、もうこの時代では使用されることのない古いプロペラ機が姿を現したのです。
そしてこの時の管制官はフアン・デ・ラ・コルテ。
彼と飛行機のパイロットとはこんな謎のやりとりがされました。
管制官:こちらカラカス空港です、応答してください。
パイロット:はい、我々は今どこを飛んでますか?
管制官:現在、ベネズエラの首都カラカス空港に接近中です。目的地は?
パイロット:こちらはパンアメリカ航空914便マイアミ行きです。1955年7月2日、午前9時55分に着陸予定です。
管制官達は耳を疑い、当初は機長の精神状態を疑ったといわれています。
カラカス空港に着陸後失踪し、レーダーから消失?
飛行機が着陸後、管制官は機長に対し「今日が1992年9月9日であることを理解していますか?」と質問。
すると、機長は突然態度を一変、突如救援隊に離れるように要請し、エンジンを再始動させそのまま許可もとらずに離陸してしまったのです。
この時、管制官には乗客の悲鳴が聞こえたともいわれ、機長がパニックを起こしていると感じた管制官は、機長を落ち着かせようと連絡を試みました。
しかし、パンアメリカン914便からの応答は一切無く、しかも突然レーダーから機体が消えてしまったのです。
その場にいた管制官は、全員何が起こったのかを理解することができませんでした。
「1955年」というカレンダーが滑走路に落ちていた?
飛行機が飛び去った後、実はカラカス空港の滑走路に1枚のカレンダーが落ちていたといわれています。
そこには「1955年」と書かれていたそうで、機長が言っていた「1955年7月2日午前9時55分に着陸予定」という言葉が裏付けとなったようです。
ますます飛行機の謎は深まることになります。
果たして本当に、飛行機は1955年からタイムスリップしてきたのでしょうか?
とはいえ、滑走路上に物が落ちているだけで大問題ですし、乗客にせよ、パイロットにせよ、フライトにカレンダーを持ち歩いているということもやや考えづらい気もしますよね。
乗客は全員無事だった?
プロペラ機が空港に到着した際、「ポーン」という音が鳴ってベルト着用サインが消灯し、乗客が一斉にシートベルトを外し始めたそうです。
つまりこれは、乗客が飛行機内の中で無事だったことを示しています。
これによって、ますます飛行機に対して謎が増したことは言うまでもありません。
また、一説ではパンアメリカン914便は無事に着陸し業客たちは全員無事だった、と伝えられるものもありました。
無事に到着した乗務員と乗客たちは状況が全く理解できておらず、メディアも口をつぐんだといわれています。
今となってはなにが真実なのか、真相は闇の中なのです。
パンアメリカン航空はバミューダトライアングルに入っていた?
未だに謎の多いパンアメリカン航空914便の失踪事件ですが、これまで失踪にまつわるさまざまな説が流れてきました。
なかでも有名な説が、バミューダトライアングルに入ってタイムトラベルしたのでは?という説です。
一体これはどういうことなのでしょうか?
パンアメリカン航空の現在は?
突然姿を消してしまったパンアメリカン航空ですが、航空会社自体は経営破綻により1991年に倒産しています。
1930年に創業したパンアメリカン航空は、「パンナム」の愛称で50年近くにわたってアメリカのフラッグ・キャリアとして君臨しました。
しかし、航空自由化や高コスト体質の改善の失敗によって負債が膨らみ徐々に経営は悪化します。
資産や事業の売却などのコスト削減をしてきましたが、一度狂った歯車を元に戻すことはできませんでした。
パンアメリカン914便と同機体が日本でも使われていた?
突如姿を消してしまった914便で使用されていた機材は、アメリカのダグラス社によって開発されたダグラスDC-4という飛行機です。
1942年に初飛行をしたダグラスDC-4は、日本でも1950年に日本航空(JAL)が国内線で導入します。
ダグラスDC-4は、日本航空の国内線の主要機材として使用され、当時の航空切手にも描かれた人気のある飛行機でした。
60年代に入ると、後継機の普及により徐々に退役していきましたが、ダグラスDC-4は世界各国の航空会社で多く使用され、50年代を代表する旅客機として現在でも語り継がれています。
バミューダトライアングルに入りタイムスリップをしていたという説も!
パンアメリカン航空914便の失踪事件の説の1つとして、飛行機がバミューダトライアングルに入ってタイムトラベルをしていたという説があります。
バミューダトライアングルとは、フロリダ半島の先端とプエルトリコ、バミューダ島を三角形で結んだ海域のことです。
バミューダトライアングルで未知との遭遇、政府専用機が謎の物体が分裂する様子を目撃https://t.co/Dy0KNGKZoS
「バミューダトライアングル」は、魔の三角地帯と呼ばれる海域で、船や飛行機などが跡形もなく消えるなど、昔から謎の事故が多発する場所だ。 pic.twitter.com/0twtvFI0w2
— カラパイア@不思議と謎の大冒険 (@karapaia) January 1, 2023
このバミューダトライアングルは、古くからこの上空を飛んだ飛行機や、航行中の船が突然消えるという怪事件が発生していたことでも知られています。
あまりにも事故が多いことから、「魔の三角地帯」「伝説の海域」とも呼ばれ、現在に至るまで様々な説が作られていて、超常現象マニアにとって格好のネタとなっている場所です。
一説によるとこの区域で失踪を遂げるのは、海底にある天然のメタンガスが爆発した可能性も唱えられています。
パンアメリカン航空914便失踪事件の真相はフェイクニュース!?
パンアメリカン航空914便の失踪事件は実に不可解で、謎に包まれた出来事ではないでしょうか。
そのため、この事故はフェイクニュースだ、という意見も多いようです。
時空を超えたという人や別の次元に行っていたという人もいますが、現実的ではないという意見も多く、証拠がないことから現在でも真相は解明されていません。
パンアメリカン航空914便失踪事件はデマで確定?
パンアメリカン航空914便の失踪事件がフェイクという意見の根拠は、カラカス空港が実在しないという意見があります。
しかし、言い伝えられている通称カラカス空港は、シモン・ボリバル国際空港の事であり、こちらは実在する空港となっています。
37年の時を経て出現するということ自体現実味がなく、実は海上で機体の一部が見つかっていたという意見もありました。
仮に37年の時を経ていたとしても、アメリカを中心と飛行しているパイロットが到着地付近の地形もわからず飛行することはありません。
緊急事態でもないのに、場所がわからないといって従来の予定地でなく、さらに南のカラカス空港に着陸することも考えづらいでしょう。
デマである可能性①事故が多くて勘違いされた!?
もっと調べてみると、パンアメリカン航空は多くの事故が起こっていることがわかっています。
1952年4月11日 | 526便 | 不時着水事故 | 52名死亡 |
〃 4月29日 | 202便 | 墜落事故 | 50名死亡 |
1956年10月16日 | 006便 | 不時着水事故 | ー |
1957年11月8日 | 007便 | 失踪事故 | 44名死亡 |
1963年12月8日 | 214便 | 墜落事故 | ー |
1965年9月17日 | 292便 | 墜落事故 | 30名死亡 |
1966年11月15日 | 708便 | 墜落事故 | 3名死亡 |
これ以降も1991年に会社が倒産するまで多くの墜落事故事故、ハイジャック、爆破事件、衝突事故などが起こっています。
1977年3月27日、テネリフェ空港でKLMとパンナムのジャンボジェットが二機離陸滑走中衝突した。
死者は航空事故最多の583人。
主な原因は濃霧の中KLMの機長が管制からの許可を待たず離陸したことであった。 pic.twitter.com/VREIN0bkmT— ゆん Yun/絵・航空 (@yunyun26118030) March 26, 2019
ただし、上記の表でダグラスDC-4が起こした事故は最初の1件のみで、以降の事故は「ボーイング」という別の機体に切り替わっています。
さらに注目すべきは、1968年12月12日に発生した「パンアメリカン217便墜落事故」。
この事故は、ベネズエラのカラカス空港への着陸進入中にカリブ海に墜落、51人が死亡する大事故でした。
なんとなく「パンアメリカン914便失踪事件」に似ている気がしませんか。
こういった情報からフィクションの物語が創作された可能性も高いのではないでしょうか。
デマである可能性②失踪後再登場の時期
パンアメリカン914便失踪事件では、失踪したのは1955年で再度姿を現したのは1992年とされています。
しかし、英語圏のサイトを確認すると失踪後再登場したのは1985年説や1993年説もあり、情報がしっかりしていません。
本当にタイムトラベルがあったとしても、いくつも説があるのはやや違和感を感じるのではないでしょうか。
デマである可能性③「トワイライトゾーン」に類似?
1959年から1964年の間にアメリカで放送された人気テレビドラマシリーズ「トワイライトゾーン」。
日本では「ミステリーゾーン」という題名で親しまれ、異常な世界で、異常な出来事を体験するというSF作品として有名ですよね。
そのシリーズの第54話である「The Odyssey Of Flight 33」が、パンアメリカン航空914便の失踪事件と似ているという声もあるようです。
作中では、1961年ロンドンからニューヨークへ向かう機体が時空を越え、恐竜たちの住む先史時代へ送られています。
その後、ニューヨークにたどり着くものの年代は1939年であり、1961年のニューヨークへ戻ろうと奮闘する様子が描かれています。
この物語はもちろんフィクションですが、物語に着想を経て「パンアメリカン航空914便失踪事件」が創作された可能性も考えられているようです。
デマである可能性④「WEEKLY WORLD NEWS」の信ぴょう性
失踪事件はタブロイド紙「WEEKLY WORLD NEWS」で2回にわたって掲載されました。
しかし、このタブロイド紙は、
- でっち上げ記事が専門!
- クレイジーすぎて信じられない
といった現地の人の意見からもわかるように信ぴょう性にかけたり、空想的な記事も多くあったようです。
そのため、パンアメリカン航空914便失踪事件も同様であると考えているアメリカ人は多いのだとか。
いずれにせよ、パンアメリカン航空914便が37年の時を経て、姿を現したという証拠はどこにもなく、やはり都市伝説であり、デマであるという意見が多いようです。
パンアメリカン航空914便失踪事件は現在も謎!フェイクニュースの可能性が高い!
今回の記事では、1955年7月2日に起こったとされるパンアメリカン航空914便失踪事件について取り上げました。
この事故は概要に疑わしい部分が多く、フェイクニュースの可能性も高いといわれいますが、謎の多い飛行機事故として密かに語り継がれています。
時空を超えたという説や、政府が隠したがっている事故といううわさまで存在しているようです。
パンアメリカン航空914便はその後どうなったのか、興味が尽きない謎多き事故といえるのではないでしょうか。