都市伝説として語り継がれている「だるま女」は、日本のみならずインドや中国など世界的に実在したといわれています。
なかには実際に見たことがある、という人もおり真実なのか都市伝説なのか意見は大きく二分しているのです。
このだるま女ですが、実は映画の中にも登場しており、過去には実在していたのではないかと話題になりました。
だるま女とは一体何なのか、そして実在するのか否かを詳しく見ていきましょう。
目次
だるま女は実在する?!中国やインド、日本にも存在した?
だるま女は実在している、という噂が後を絶ちません。
そこには犯罪の影が見え隠れしており、アンダーグラウンドの世界が広がっているようです。
世界一の人口となったインドや中国、そして日本に伝わるだるま女の真相を探っていきます。
だるま女とは?
だるま女とは、両腕両足を切断されてだるまのような姿にされた女性の事。
1980年代に都市伝説として広がり、見世物小屋などにいると噂が流れました。
目的は性的なおもちゃにする、復讐、見世物のためなど様々な説が飛びかっているようです。
時代の流れで見世物小屋が廃れていくにつれ、だるま女の話題も消えていくかに思えましたが、現在も都市伝説として広く語られています。
だるま女は中国の処刑方法として実在?!
歴史を紐解いていくと、手足を切断するという刑罰は中国などに実在しているようです。
また、拷問時にも用いられていたようで、だるま女という都市伝説に結び付いているのかもしれません。
実際には生き続けるということはなかったかもしれませんが、だるま女の起源は中国にありそうです。
また歴史書「史記」には、漢の漢の劉邦の正妻呂后が、側室戚夫人の四肢を切り落とし、生きたままトイレに置き「人豚」と呼んでいたことが記されています。
インドでは自ら「だるま女」になる人がいる?!
インドにはカースト制度によって、生まれてから死ぬまでホームレス生活を余儀なくされている人が大勢います。
インドを訪れたことがある人なら、手足のないホームレスが多いことに気が付くはず。
実は彼らは自ら手足を失うことで同情をひき、日銭を稼いでいることが判明しているのです。
2006年には「どこを切るか」と聞いている国立病院の医師と「どこでもいい」と答えるホームレスのやり取りが報道されました。
インドでは、同情で日銭を稼ぐ為に、子供の手足を切断してしまう親も多いといいます。
自ら望んでだるま女となるのは、生きていくための究極の選択といえるのではないでしょうか。
インドで実際に「だるま女」を見た人の体験談とは?!
カオスな国とも呼ばれるインドでは、「だるま女を見た」という体験談が多くあがっています。
とある人は、バスターミナルで台車に乗せられているだるま女を見たと話します。
喜捨を呼びかける缶が首にぶら下がっており、観光客へ向けて施捨してほしいと懇願するかように泣きさけんでいたとのこと。
このだるま女は、自ら進んでだるま女になったのか、親から強制的に手足を切断されたのかは不明です。
同情を引き日銭を稼ぐ道具にされているのでしょう。
また、インドでは売春宿でもだるま女の目撃情報が相次いでいるようです。
@TanTanKyuKyu 自分は以前インドのとある町で、そのだるま女の日本人にあった人に会いました、彼はだるま女に、自分の日本の親に連絡して助けほしいと頼まれたらしいですが、売春がバレルのが怖くて彼は……、もうわかりますよね
— 熱狂的ロマニスタ (@moemoepaipai) June 23, 2011
日本にも「だるま女」が実在していた?!
引用:wiki/中村久子
日本には、だるま女として見世物小屋にいた女性が実在します。
彼女の名前は中村久子。
彼女は凍傷で幼い時に四肢を失ってしまい、母親の再婚相手に見世物小屋へ売り飛ばされました。
見世物小屋で何とか生き抜き、後に執筆活動や講演活動で日本中をめぐっています。
彼女は昭和9年まで見世物小屋で働いていたようです。
仲村久子さんのように障害を持ち、だるま女として働いていた女性もいたのではないでしょうか。
メキシコでは男女6人が「だるま」にされた事件も?!
メキシコには世界的犯罪組織であり、世界最大の犯罪組織シナロア・カルテルが存在します。
2016年、メキシコのグアダラハラで両方の手首を切り取られた男性が5人、女性1人が生きている状態で見つかっています。
そばには、男性の遺体と切り取られた手が入った袋が2つ置いてありました。
6人の額には「泥棒だからこうなった」というメッセージが残されており、麻薬購入後に代金の支払いをしなかったのではないかと言われています。
メキシコでは、犯罪組織に殺害された遺体が路肩に転がっているのは日常茶飯事らしく、この事件も犯罪組織シナロア・カルテルが犯人ではないかと報じられました。
海外には「だるま女」専門店や信仰する村も存在する?
中国にはだるま女村という村があり、8月にだるま女たちと性交し神社に納めるのだとか。
四肢を切られても生きる生命力を称え、行われている行事といわれています。
恐ろしいことに、だるま女はミイラになるまで放置されるそうで、村の神社にはこれまでミイラにされただるま女達が数十体並んでいるとのことです。
都市伝説なのか、実在する村なのか真相は確かではありませんが、中国を旅した男性が「達者村」という村で実際にだるま女が並んでいるのを見た、という証言もあります。
また、海外にはだるま女の専門店があり、闇の取引で1000万円で売られているという噂もまことしやかにささやかれているようです。
フランス「オルレアンの噂」が元のデマという声も?
だるま女は中国から生まれた都市伝説かと思いきや、フランスから始まったという説も存在しています。
その発端となったのは1969年、フランスのオルレアンで試着室に入った女性が消えてしまうという噂が流れ暴動が起きかけた事件です。
消えた女性たちは、売春婦として売られていったと噂が広がりました。
この噂を信じた一部の人が、店を包囲するなど暴動を起こしかけたのです。
噂にあがった店のうち、ほとんどがユダヤ人経営者の店だったために、多くの人の敵意がユダヤ人へ向きました。
しかし、反ユダヤ主義者によるでっち上げ、とメディアが報道し暴動はおさまっていったようです。
この一連の騒動が日本へ伝わって、だるま女という都市伝説が生まれたともいわれています。
【都市伝説】衝撃のだるま女のエピソードとは?
実在するともいわれている、だるま女の都市伝説について詳しく紹介します。
だるま女が他の都市伝説と異なる点は、デマの噂と真実が重なって都市伝説が生まれているということ。
ここでは昔から語り継がれている、だるま女の都市伝説を紹介します。
夫婦で旅行した際に試着室で妻が消えた?!
夫婦で中国を旅行中に、観光地を巡りあちこち足を延ばすうちに、いつしか治安の悪い地区へ。
何も知らない夫婦は、とある一軒のブティックへ入りました。
妻は、気に入った服を見つけ試着してくると言い残し、試着室へ入ったのですが、全く出てくる気配がありません。
夫が気になり試着室を覗くと、中には誰もいなかったのです。
いくら探しても妻の姿は見つからず、店員へ聞いても知らないの一点張り。
夫は警察に届けますが、いくら捜査をしても妻は見つかりませんでした。
見世物小屋で妻を発見?!
妻を見失った夫は一度帰国しますが、その後単身中国へ渡り、行方不明になった妻を探します。
しかしいくら探しても妻は見つからず、ふらふらと夜の街を彷徨ううちに「日本達磨」と書かれた見世物小屋を発見したのです。
夫は何かひかれるものがあり、恐る恐る中へ入りました。
そこには四肢を失い舌を抜かれた全裸の女性が置いてあったそうです。
夫は、気分が悪くなりすぐに小屋を出ようとしましたが、もしやと思い振り返ると、そのだるま女はなんと自分の妻だった、という衝撃のエピソード。
これがだるま女の都市伝説です。
都市伝説によっては内容が異なることも?
紹介しただるま女の都市伝説ですが、語られる地域によって少々設定が異なるようです。
夫婦で旅行していた、と語られていますが、中には結婚前のカップルだった、友達2人の旅行だった、幼馴染だったなど様々な説があります。
いずれにしても2人での旅行だったという共通点はあるようです。
また旅行先の中国ですが、こちらも香港やタイなど場所も異なる節があります。
さらに、舌は抜かれておらず助けを求めてきた、という都市伝説もありました。
「だるま女」をモチーフにした映画もある?!
都市伝説といわれているだるま女ですが、このだるま女をモチーフにした映画も制作されています。
だるま女をメインにした映画ではなく、劇中にごく自然に登場しており、ゆえに実際にあったことだったのではないかと考えさせられます。
劇中のだるま女は、利益のために四肢を切断されたのではなく、憎しみや罰によってだるま女になってしまいました。
映画「13人の刺客」
映画「十三人の刺客」は1963年の名作をリメイクし、2010年に制作されました。
暴君松平斉韶は、正気を失っているような所業を繰り返し、親を殺し女性をレイプした挙句、女性の四肢を切り落としてしまいます。
この女性が、だるま女となるわけです。
十三人の刺客を集めた新左衛門は、だるま女となった女性が口で書いた「みなごろし」を掲げて暴君松平に向かっていくストーリーとなっています。
映画「西太后」
映画「西太后」に登場するだるま女は、あまりにも有名です。
中国に伝わる史実、劉邦の皇后である呂后が側室の四肢を切り取ったことがモデルになっているのでしょうか。
劇中で西太后は、自身のライバルとなる側室麗妃の四肢を切り落とし、かめの中に入れてさらし者ににしています。
この出来事は事実ではなく創作ですが、悪名高い西太后ならばやりかねない、と納得の映画となりました。
史実では、劉邦の皇后である呂后だけでなく、女帝である武則天も側室の四肢を切断したことが明らかになっています。
B級映画やカルト映画にも「だるま女」が出現?
都市伝説「だるま女」は、ホラー作品やアダルト作品などに多用されています。
B級ホラー映画「御茶漬海苔の惨劇館」や「暗黒映像」などにも登場していました。
また「FREAKSHOW 」はカルト映画「フリークス」のリメイク版として発表されましたが、前作には登場していなかっただるま女が登場しています。
さらに「ボクシング・ヘレナ」では、交通事故に遭った女性の四肢を切り落とし監禁するという、サイコパスな外科医が描かれていました。
だるま女は史実とデマが入り混じった都市伝説
江戸時代の画家、菊池容斎の「呂后斬戚夫人図」にも、劉邦の妻が側室の戚夫人を人豚とした絵が描かれています。
中国の史実には確かにだるま女が登場し、知られていない闇の歴史には数々のだるま女が存在しているのかもしれません。
現在語られている、試着室の都市伝説は単なる噂かもしれませんが、だるま女は確かに存在していたのではないでしょうか。