ロンドン・リオと2大会連続でオリンピックに出場し、2015年の世界水泳では日本女子初の金メダルを獲得した星選手。
実は彼女は16歳の頃からバセドウ病を発症しており、競泳人生はそのまま闘病生活とイコールとなっています。
投薬、定期検診により症状を抑えていましたが2014年、競技に支障が出るほどの倦怠感などの症状により彼女は甲状腺の全摘出を決意。
手術後のオリンピックでは見事銅メダルに輝き復活を果たしました。
⑮安川結花
安川結花さんは、はじめは舞台女優として活動を開始、その後女子プロレスラーとしても活躍するというマルチな才能を持った女性です。
女優として生きてきた彼女は舞台を見に来ていた関係者に誘われてプロレスへの扉を開きます。
ある日彼女は練習で負ったケガの治療で病院へ。
そこでの検査で甲状腺ホルモンの分泌量が常人の3倍ほどもあることが発覚し、バセドウ病と診断されました。
「幼少期から疲れやすい体質だという自覚はあった」と本人は後に語っています。
それでも諦めず治療を続けながらレスラーとして活動を続けている安川さん。
その半生は2015年、映画にもなっています。
⑯福嶋浩子
姉は女子プロゴルフ選手の福嶋晃子さん。
その姉を追うようにゴルフを始め、史上初の姉妹での同大会優勝という偉業を成し遂げた福嶋浩子さんは2017年末、自身の身体の異常に気が付きます。
思うように体が動かず、手足のしびれや極端な疲労感などに悩まされた彼女は病院で検査を受けることにします。
結果、バセドウ病であることが発覚、治療を行うことになりました。
一時は体重が10kg以上も落ちてしまうほど体調が悪化した福嶋選手。
しかし現在、完全とまではいきませんが徐々に体調を回復させ、プロゴルファーとして活躍されています。
⑰中村妃智
中村妃智(なかむら きさと)さんは自転車競技を行っていたアスリート。
自転車を始めたのは高校からと遅めでしたが、競技を始めると才能を発揮し、高校3年生でアジア大会の日本代表に選ばれるほどの実力をつけていきます。
しかし、周囲が更なる飛躍に期待していた大学時代、原因不明のスランプに陥ります。
スランプに悩んだ彼女はありとあらゆる努力をしましたが改善には至らず病院で検査を受けることに。
そこでバセドウ病であると診断されたのです。
身体を酷使していたためか治療は長期にわたり、症状がひどい時は階段の昇り降りも禁止されるほどだったようです。
治療のかいあって彼女は大学2年生時に協議に復帰。
東京オリンピックに出場するなど華々しい活躍を見せ、2021年に引退を発表しました。
⑱京川舞
在学時から女子サッカー選手として既に全国区だった彼女は、高校卒業後すぐにプロチームであるINAC神戸への入団を決めました。
女子サッカー日本代表、「なでしこジャパン」にも選出され活躍した彼女。
そんな彼女は2021年、体調不良のため精密検査を受けますがそこでバセドウ病を発症していることが発覚します。
一時休養し治療に努めた彼女は周りの支えもあって翌年2022年、チームに復帰。
以前のパフォーマンスを取り戻した彼女は、ドイツ1部リーグのチームへの移籍も決定しました。
これからの活躍に期待したいですね。
⑲河本あす香
「打首獄門同好会」という変わった名前のバンドをご存じでしょうか。
そのバンドのドラム兼ヴォーカルを務める河本あす香さんも2021年、バセドウ病を発症してしまいます。
体調不良で病院を受診した際に発覚、バセドウ病発症時は激しい運動は禁止となるためドラム演奏ができなくなってしまいます。
活動休止も危ぶまれる状況でしたが、バンドはサポートドラムを加入させ河本さんは投薬治療を行いながら、ヴォーカルのみの参加として活動を継続することを発表しました。
そして2022年、症状が緩和されたため河本さんはドラムとしてバンドに復帰。
音楽活動を継続しています。
【海外】日本だけではない!バセドウ病の芸能人5選!あのアメリカ大統領も?!
もちろん海外にもバセドウ病と向き合いながら活動している芸能人は多く、苦しみながらも活躍し同じ状況にいる人々に勇気を与えています。
続いては海外でバセドウ病と闘う芸能人たちのエピソードを見ていきましょう。
①ジョージ H. W. ブッシュ
ジョージ・W・ブッシュの父親としても知られる、彼はアメリカ合衆国第41代の大統領です。
1989年に大統領選に勝利すると、冷戦終結、湾岸戦争など賛否はあるものの歴史に名を遺す手腕を見せたジョージ・H・W・ブッシュ。
彼は歴史上もっとも健康な大統領とも言われるほど年齢を感じさせないエネルギッシュな人物でした。
しかし1991年、体調が優れないことから検査を受けた結果、なんとバセドウ病に罹患していたことが判明したのです。
60歳を超えてバセドウ病を発症している場合、特徴的な外見の変化や体調の極端な異常が発現しにくくなるため、周囲も本人も気づかなかったようです。
そしてジョージ・ブッシュは自己免疫機能の不全から心臓病をも併発してしまい、集中的な治療を余儀なくされます。
しかし、持ち前の生命力と運を味方につけた彼は少しずつですが公務に復帰。
治療を続けながら任期を全うするのです。
また、妻であるバーバラも以前バセドウ病の診断を受けており、実は夫婦でバセドウ病を発症していたことも後に発覚しました。
夫婦で病気と闘っていたその事実の発表は同じ症状で苦しんでいるアメリカ国民に勇気を与えることになったようです。
Missy Elliott(ミッシー・エリオット)
ミッシー・エリオットはこれまでにグラミー賞を5度も獲得し、ラッパー・音楽プロデューサー、そして女優としても活躍する天才アーティスト。
1997年にデビューを果たすと、その革新的な音楽と奇抜で目を引くファッションで全米を席巻。
あっという間にトップアーティストに昇り詰めていきます。
それからも華々しい活躍を続けた彼女ですが2011年、あるインタビューで3年前からバセドウ病に苦しんでいることを告白。
車のブレーキを踏むことさえできない、ペンを持つ手が震えて活動ができないなど自身が経験した辛い思いを語り、人々に衝撃を与えました。
それでも彼女は病に負けず活動を続け、今もなおシーンの最前線で輝きを放っています。
Sia(シーア)
シーアはオーストラリア出身のミュージシャン。
95年ごろに活動を開始し、オーストラリア国内のみならずイギリスに渡ってさまざまなグループで音楽活動を続けていた彼女。
そして2012年にNe-Yo(ニーヨ)と共作し発表した曲が全英で大ヒットとなり、注目を浴びることになります。
そんな彼女は様々な病気や精神病に悩まされており、バセドウ病もそのうちの一つです。
顔をウィッグで隠すような特徴的なファッションもバセドウ病によって発言してしまう外見の変化を嫌ってのものではないかと推測されています。
Yuri Seo(ソ・ユリ)
ソ・ユリは韓国で声優としてキャリアをスタートした後、そのビジュアルで人気を博しタレントとしても活動を行っています。
そんな彼女は自身がバセドウ病であることを以前から公表しており、活動の傍らで治療を続けてきました。
バセドウ病の特徴的な症状でもある顔つきの変化についても自身のブログで状況を報告しており、目のが回復した際にはファンに向けて報告を行ったようです。
一部では整形をごまかしているのではないかという意見も上がったが本人は否定しており、バセドウ病完治へ向けて現在も治療を続けています。
➄ソルジ
17歳で韓国音楽界へデビューを果たし、現在はガールズグループ「EXID」のリーダーとして活躍しているソルジ。
彼女もまた2016年、バセドウ病を発症してしまいます。
投薬治療で症状を抑えながら活動を続けていましたが、体調の悪化により休養を発表。
一時は日常生活もまともに遅れない日々が続いたようです。
しかし2018年、治療に専念し症状が回復したためEXIDに復帰。
以降も精力的に活動を続けているようです。
バセドウ病になりやすい性格がある?寿命が短いと言われる真相は?
バセドウ病は甲状腺疾患のひとつであり、まだまだ全容がわかっていない病気です。
そのため発症するきっかけや症状についてなどいろんな憶測が飛び交っています。
性格によって発症する、寿命が短くなってしまうなどの噂は真実なのでしょうか。
ひとつずつ確認していきましょう。
バセドウ病になりやすい性格とは?
結論から言うと、現在までの研究で性格によって発症率に差があるというデータは確認されていません。
しかし、バセドウ病にはストレスによって症状が悪化しやすいという特徴があるため、発症後の治療においてもストレスを溜めないよう生活するのが最も重要であると言われています。
日常の中でストレスが蓄積されすぎないように自分を労わってあげる、というのはバセドウ病に限らず生活するうえで重要なことです。
そう考えるとイライラしたり、過労になったりしないように自分をコントロールして穏やかに過ごせるよう意識するというのは、バセドウ病を予防することに繋がるかもしれません。
バセドウ病にかかると寿命が短くなるという説はホント?
バセドウ病が引き起こす身体の異常のひとつに免疫機能障害があります。
これは普段身体を外部のウィルスや菌から守るために分泌されているホルモンの量が調節できなくなり、免疫が破壊され体の各部位に異常をきたしてしまう、といったものです。
そのため、身体が極端に弱くなるので他の病気を併発してしまう確率が高くなります。
その場合は免疫不全により症状が重くなってしまうため重大な事態につながる可能性も高くなってしまうのです。
バセドウ病自体の致死率が10%と高い数字であることもあわせて、症状が改善しない場合は健康寿命が短くなってしまうことがあるのです。
バセドウ病の原因とは?
バセドウ病は発症の原因の実に9割が遺伝であると考えられています。
遺伝による体質と、過度のストレスや外部からのウィルス感染によって症状が発現すると考えられているようです。
やはり、ストレスを溜めないことは予防としても重要と言えるでしょう。
バセドウ病の治療方法
主に投薬と手術の2つがあります。
投薬は通院による治療が可能であること。
手術は治療の中で最も早く、そして確実に結果が得られることがそれぞれメリットとなっています。
ただし、どちらにもリスクはあるため自身の身体と相談する必要はあるようです。
バセドウ病は完治する?
バセドウ病は実は完治しない病気として知られています。
ただし効果的な治療を行い、自身の身体を労わりながら無理をせず、精神的に安定した状況を継続していくことで症状のほとんどを抑えることが可能です。
ただし、それには本人の意識はもちろんですが環境を整え、周囲がバセドウ病についての理解を深めることが、何より重要であると言えるでしょう。
バセドウ病についてのまとめ
いかがだったでしょうか。
テレビやラジオ、スポーツなどさまざまな場所や場面で活躍している芸能人・有名人たちもバセドウ病で苦しんでいたのです。
そしてもちろん、今現在も治療を続けている一般の方はその何倍も存在しています。
バセドウ病を発症しないため、また発症してしまった人を正しく理解できるようにするためにこの記事を参考にしていただけたら嬉しく思います。