東工大という大学を皆さんはご存じでしょうか。
正式名称は東京工業大学といい、歴史ある国公立大学です。
しかし「東大なら知ってる」「東京にあるだけのただの工業大学でしょ」「東工大はやめとけ」…。
そんな東工大についての悲しい意見や評判をちらほら耳にします。
そんな東工大、実は日本はおろか世界トップクラスの実力と実績を兼ね備えたすごすぎる大学だったのです。
なにがすごいのか?そしてなぜ知名度が低いのか?
東工大に関する気になる疑問を、すべてまとめて解決していきましょう。
目次
東工大はどのくらいすごい?ランキングと凄さ6選!
東工大は実はすごい!
そういきなり言われてもピンときませんよね。
ではたとえば誰もが知るあの大学と比べてどれくらいすごいのか?
具体的にはなにがどうすごいのか?
順を追って解明していきましょう。
東工大のランキングが凄すぎ?!
まずはすごさを具体的に伝えるわかりやすい目安として、世界大学ランキングでの順位をご紹介しましょう。
世界大学ランキングとは、教育の質・研究の実績・知識の伝承深度や国際的な貢献など様々な項目における評価から成るイギリスの権威ある教育専門誌、「タイムズ・ハイヤー・エデュケイション」によって毎年発表されている権威ある評価です。
その世界の教育者が注目するランキングにおいて東工大は2020年、なんと世界58位を記録しています。
この順位は東京大学、京都大学に次いで日本3位。
そして就職に関しても2018・2019年の2年連続で「有名企業就職率ランキング」で1位を獲得している。
有名企業就職率は57%にもおよび、これは日本屈指の驚異的な数値といえます。
そして理系大学におけるランキングに関しても東工大はTOP3がもはや指定席。
理系各分野において国内屈指の難関大学なのです。
東工大のすごさ①偏差値
大学のレベルを語るうえで、最もわかりやすい指標となるのが偏差値です。
東工大の偏差値平均は68となっており、国内有数の数値。
当然大学偏差値トップ10には毎年のようにランクインしており、一時的な人気や話題性などによるものではないことも実証されています。
東工大の学部別比較
まずはじめに、実は東工大では「学部」という単語を使っていません。
学部と大学院を統一した独自の呼び方として「学院」という名称を用いています。
東工大の学院は理学院、工学院、物質理工学院、情報理工学院、生命理工学院、環境・社会理工学院の6つ。
学院別の偏差値は、
情報理工学院:67 理学院:66 環境・社会理工学院:66
物質理工学院:65 生命理工学院:65 工学院:65
となっています。
情報理工学院がトップとなりますが、全体的に各学部に大きな差はありませんね。
東工大のすごさ②位置づけ
日本の大学には、「大学群」という世間一般にもわかりやすい区分けがあります。
「MARCH」とか「早慶」みたいに同レベルの大学を、一括りにして覚えやすくしているアレです。
この数ある大学群の括りのトップは、「東京一工」と呼ばれています。
4つの大学から成るこの大学群は、先頭から順に東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学…
そう、東工大は実は日本のトップグループに立派にランクインしているのです。
受験生にとっては憧れの大学群として、耳に馴染みがあると思います。
大学に興味がない人でも、これを聞けば少しはすごさが伝わるでしょう。
東工大と聞けば、一目置かれるどころか尊敬の眼差しを受けるような超名門なのです。
東工大のすごさ③倍率
東工大の倍率は2023実績で、前期・後期ともに930名の募集に対して4.5倍となっています。
数字だけを見ると大学受験の経験がない人はわかりにくいかもしれませんが、偏差値60を超える大学なら実質倍率は2~3程度。
その中で4.5という倍率はとてつもない数字と言っていいでしょう。
そしてそもそもが狭き門である東工大の学院の中でも、圧倒的な倍率を誇ったのが情報理工学院です。
その倍率はなんと驚異の9.6倍。
情報理工学院に対して学生が殺到するのは、昨今の情報主義社会において専門的知識のニーズがより一層高まっている、ということが理由に挙げられます。
東工大のすごさ④入試の難易度
大学に入学するためには、通常2つの試験をパスする必要があります。
全国共通で行われる「大学入学共通テスト」と、各大学独自に行う「二次試験」です。
基本的に国公立大学においては、上記2つのテストの合計点で合否の判定が行われるのですが、
東工大はなんと大学入学共通テストの配点がゼロなのです。
「なら二次試験だけを受ければいいじゃん」と誰もが思いますが、そこは甘くありません。
大学入学共通テストの点数が基準以下だと二次試験を受けられない、というシステムになっているのです。
そしてその点数の基準は各学院の平均でも80%。
それをクリアしなければ、スタートラインに立つことさえできない険しい道のりなのです。
東工大のすごさ⑤合格最低点
合格最低点は当然年度によってバラつきがありますが、各学院すべてにおいて平均で50~60%を得点しなければいけないようです。
当然日本最高峰の難易度のテストでの正答率ですから、非常に狭き門と言って間違いないでしょう。
東工大のすごさ⑥就職先
難関大学である東工大は、当然ですが実績にも凄まじいものがあります。
東工大は、全大学の「有名企業に限った」就職ランキングで、3年連続で1位を獲得しています。
主要な就職先だけでも
ソニー 富士通 日立製作所 旭化成 NTT Huawei 日産自動車 野村研究所
アクセンチュア パナソニック キオクシア 東芝 キーエンス 楽天 etc…
など日本国内のみならず海外にも名だたる各分野最高峰の企業ばかり。
苦労してでも入る価値は十二分にあると言えますね。
東工大のレベルは超一流!他大学と比較したらやばかった!
理系のエリートが集う難関校、東工大。
ただし知名度が他と比べて劣る分、実情が聞こえてきにくいのが現状です。
実際の教育レベルはどうなのでしょうか、調べてみました。
東工大と東大は同じレベル?
世間一般の認知度が高くない、という欠点を除けば東工大は文句なく日本の理系大学最高峰です。
そのレベルの高さは東大に劣っていないのです。
実際大学内での教育、施設の充実度、研究に必要な環境などすべてが整っており、多くの理系進学志望者が東工大を最終目的地に位置付けています。
東工大と東大の就職先は同じランク?
東大は総合大学であるため幅広い学科を備えており、すべての分野をカバーしているため就職先も医者・メーカー職・メガバンクから外資系までと多岐にわたっています。
その点では東大ももちろん優秀ですが、東工大が誇るべきは研究・専門職への圧倒的な強さ。
その分野においてはさすがの東大でも一歩譲らざるを得ません。
例えば、ソニー、日立製作所、富士通、アクセンチュアなどの技術系サービス業やITビジネス大手の就職率でいえば東工大は東大とほぼ同率。
起業によっては東工大を重用する傾向すらあるようです。
総合的に比較するなら万能の東大、技術の東工大といったところですが就職先に関して両者に大きな差はないと言えます。
東工大は早慶レベルの学生の憧れ大学?
私立にももちろん難関大学は存在します。
知名度の高い難関私立として有名なのが早稲田・慶応。
世間からの知名度も非常に高く、名門大学の代名詞のような扱いを受けることも多いですね。
そんな早稲田・慶応と比べて東工大のレベルはどうなのでしょうか。
実は東工大が圧倒的に格上なのです。
世間一般のイメージとのズレはおそらく偏差値によるもの。
実は私立大学の偏差値は国公立より高めに発表されることが多いのです。
「東工大なんてバカにされるレベル」「早慶MARCHのほうがマシ」などの投稿をヤフー知恵袋などでよく目にしますが、こういった意見はこの誤認によるものではないかと思われます。
【評判】東工大の凄さは本物?世間からの評価を調査!
受験生、特に理系志望者には神のごとく崇められる東工大。
それでは世間からの評価はどうなのでしょうか。
知らない、専門学校、オタクが多い、勉強しかできない…。
そんなマイナスイメージがあったのは過去の話。
現在は有名企業からひっぱりだこのスター大学となっていたのです。
評判①レベル高すぎ
まず世間が抱いているイメージがこちらです。
東工大をちゃんと知っている人ほどこのイメージは強いでしょう。
ちょっとやそっとの努力では、到底入ることは敵わない選ばれた人間だけが進める進路。
日常会話すらレベルが違いすぎて成立しないのではないか。
そんな冗談めいた感想を抱く人さえいるのです。
評判②就活が最強
理系大学の頂点である東工大は、もちろん理系の職業への就職率はトップクラス。
しかし文系企業への就職率も決して低くありません。
学ぶ学院や研究の方向性にもよりますが、基本的に文系含めどの企業も技術・研究職は喉から手が出るほど欲しい人材。
「東工大卒」というだけで企業側も一目を置くため、就職に関してネームバリューだけで押し切れてしまうことも珍しくないと言います。
評判③企業からの評価が高い
理系分野の学問や研究は世間的に需要が高まってきています。
難関大学を突破できる学力、物事を理論的に解釈・設営できる倫理能力。
どれをとっても企業には欠かせない人材であると言えます。
情報・工学などフレキシブルに起業活動に貢献できる分野を専門とする理系卒は、就職戦線においても無類の強さを発揮することでしょう。
評判④教育システムがすごい
東工大は2016年度より、学部と大学院を統一した「学院」という新たなシステムを運用しています。
それぞれの学院に入学し、2年生時から特化した分野をより深く学ぶために「系」と呼ばれる学士課程を選択。
大学院進学時も自身が学んだ分野に特化したコースに進み、必要な知識を無駄なく効率的に学んでいくことが可能となっています。
入学時から大学院までを見据えることで自身に合う学習過程を設計できる、一貫教育が実現しているのです。
また講演も盛んにおこなわれており、各界の著名人や有名な研究者から貴重な生の声を聴くことができる機会も豊富に用意されています。
また東工大は東歯大・東京外大・一橋の3校と、「四大学連合」という教育プログラムを締結しています。
これは大学の枠を超えての連携による共同研究や、協定大学内での新たな専門分野の教育を受けることが可能といった複合学習のためのカリキュラムとなっています。
評判⑤研究室は日本トップレベル
理系大学にとって重要な施設である研究室。
東工大は全ての学院においてその設備も質も素晴らしいの一言。
代表的な例でいうと、世界トップクラスの処理能力を誇るスーパーコンピュータ「TSUBAME」。
このスパコンは東工大の教育に利用されるのみならず、外部企業や公的機関の業務補助をも同時に行うすさまじい処理能力を誇ります。
そのほかにも物理、生物、電子工学、応用化学など理系すべてのジャンルの研究において最新鋭の設備を導入、運用しており文字通りの意味で世界をリードし続けています。
評判⑥図書館が広い
東工大には大岡山、すずかけ台と2つのキャンパスがありますが、そのどちらにも附属図書館が存在します。
すずかけ台は地上3階建て、リニューアルした大岡山に至ってはなんと地下2階、地上3階の5フロア構成となっています。
当然その蔵書量は理系学問の専門書を中心に圧倒的なボリューム。
リフレッシュルーム、学習スペースなども併設しておりまさに学生の強い味方となっています。
ちなみに予約すれば在学生以外でも利用が可能。
東工大のすごさを肌で感じてみるのもいいかもしれませんね。
【受験生必見】東工大に絶対合格!勉強方法とは?
教育・施設・将来すべてが揃った東工大。
理系の進路を志す方にとっては憧れの大学ですよね。
そんな東工大に入学するためには何が必要?何から始めればいい?
合格するために必要な要素・勉強法を学んでいきましょう。
勉強方法①東工大独特の問題を過去問で鍛える
東工大の試験科目は英語・数学・物理・化学の計4科目です。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
まず英語は超長文問題が大問として設置されるのが習慣となっており、その文量は2000語を超えるほど。
試験時間は90分と余裕がない設定のため、長文に対しての取り組み方がカギとなります。
独特な問題であるため長文に慣れておくためにも過去問での予習は必須といえるでしょう。
続いては数学ですが特筆すべきは試験時間の長さで,なんと180分となっています。
出題は全5問、数Ⅲの範囲が多く含まれており、難関校の過去問題の類題なども頻出する傾向があるので過去問を押さえておくのはマストと言えるでしょう。
物理は制限時間120分、大問3問の構成です。
1問目は力学、2問目は電磁気学、3問目は熱力学もしくは波動、と例年の出題はある程度パターン化されています。
ただしその分問題はかなり濃密な内容となっているようで、過去問題を熟読ししっかりと対策を練る必要があります。
最後の化学は試験時間120分の大問3問構成が基本となっています。
出題範囲は多岐にわたり、理論化学・有機化学・無機化学の各方面から幅広く出題があるようです。
問題の種類も正誤問題や計算問題と種類に富んでいるため、いかに基礎を理解しているかが重要なポイントとなるでしょう。
②系科目を鍛える
英語の試験では、短い時間の中で長文に対しての対応力が求められます。
つまり速読力・文章の読解力・そして何より正答を記述するための「答案解答力」が重要となります。
続いての数学ですが試験時間が非常に長いため、集中力を切らさずいられるかが重要です。
そして実は東工大の試験総点750点のうち300点が数学に配点されているため、試験対策がそのまま合否を分けるカギとなります。
出題される数Ⅲの範囲は微積分の他に数列、極限、複素数、整数なども頻出の範囲となっています。
物理は試験のパターンこそわかっているものの、典型問題からの出題、といったことは少なく状況・設定などが特殊な設問が多くなる傾向にあります。
単一的な計算問題ではなく相互に作用する力を考慮するなど、複合的な思考が必要とされるため問題文の理解がしっかりできるかどうかが一番のポイントと言えるでしょう。
化学は設問の種類に対してそれぞれ別の能力が必要となります。
正誤問題であれば基礎知識、根本的な理解度。
計算問題は煩雑な計算に対応できるスピード、そして正確性。
また、化学の試験は途中の計算や思考過程は評価や点数の対象とならないためそちらにも注意が必要です。
目指す価値がある理系の日本最高峰
東京工業大学の真実、いかがだったでしょうか。
知名度が低いという欠点も今や払拭されつつあり、実績を十二分に備えた日本トップクラスの超エリート校ということがわかって頂けたと思います。
これから受験を控える学生の方、企業の採用担当の方、東工大に注目して損はないと思いますよ。