皆さん「サイコパス」や「シリアルキラー」といった単語を一度は耳にしたことがあると思います。
昨今、映画やゲームなどあらゆる媒体において、猟奇殺人者や精神異常者などの題材やモチーフを演出する際によく出てくる単語ですね。
これらの言葉の元祖と言っても過言ではない猟奇殺人者が、かつてアメリカに存在していました。
彼の名はエド・ゲイン。
全米を恐怖で震え上がらせた連続殺人犯です。
この記事では殺人鬼エド・ゲインの衝撃的な犯罪と彼が与えた影響についてあらゆる観点から調べていきたいと思います。
※この記事は気分が悪くなる内容を含みますので、耐性のない方は閲覧を控えるようお願いしておきます。
目次
- 1 エドゲインは検索してはいけない?!殺人博物館を作った?
- 2 エドゲインが作った作品コレクション8選!
- 2.1 ①頭蓋骨で作った食器
- 2.2 ②皮で作ったランプシェード
- 2.3 ③骨を柄にしたカトラリー
- 2.4 ④手の皮膚で作った手袋
- 2.5 ⑤顔の皮膚で作ったマスク
- 2.6 ⑥舌で作ったネックレス
- 2.7 ⑦女性の皮膚で作った胴着
- 2.8 ⑧女性の乳首で作ったベルト
- 2.9 エドゲインのコレクションはどこの博物館で見られる?
- 2.10 エドゲインをモデルにした映画とは?!日本の漫画にも影響?
- 2.11 ヒッチコック監督作品「PSYCHO(サイコ)」
- 2.12 エドゲインをモチーフにした映画は他にも?
- 2.13 ゴールデンカムイも影響を受けた?!
- 2.14 エドゲインの生い立ちが衝撃的?原因は母親?
- 2.15 エドゲインは母親からゆがんだ教育を受けていた?
- 3 検索してはいけない人物、エドゲインは後世に大きな影響を与えた
エドゲインは検索してはいけない?!殺人博物館を作った?

彼の名前は検索エンジンで「検索してはいけない」ワードとして常に上位に位置し続けています。
殺人博物館とも呼ばれる、猟奇的な自宅で彼は何を行っていたのか。
なぜ年月が経った今も検索してはいけないのか。
その理由は衝撃的な「作品」の数々にありました。
エドゲインとは

生年月日:1906年8月27日
享年(死没):77歳(1984年7月26日)
出身地:アメリカ合衆国ウィスコンシン州バーノン郡プレインフィールド
逮捕日:1957年11月16日
犯罪内容:殺人2件、死体損壊多数
判決:無罪(精神病院に収監)
死因:病死(呼吸不全)
彼は幼少期から両親の言いつけを守る、物静かな優等生として育ちます。
学校を卒業してからも家業を継ぎ、時折臨時の仕事をこなしながら実家の農場を守り、穏やかに暮らす青年…
周囲の人からしても彼に特段おかしな点はなく、真面目な人物だったと言います。
しかし彼はいろんな要因が災いした結果、この時にはすでに内面に恐ろしい狂気を秘めていたのです。
ただこの時点でその異常性に気付いた者は誰もいませんでした…。
エドゲインが犯した殺人とは?

エドゲインは生涯において2度の殺人を犯します。
そのおぞましい経緯と、犯行の全容を紹介しましょう。
第一の殺人

一人目の犠牲者はメアリー・ホーガン。
彼女は人口600人余りの小さな町、プレインフィールドで女店主として酒場を営んでいました。
体格がしっかりした、気立ての良い女性だったと店の常連たちは語っています。
そんな彼女は1954年の12月、突然行方が分からなくなります。
いつものように仕事を終えた常連の男性が店を訪ねると、店内には人の気配がありません。
不審に思い店の奥の方へ声をかけながら近づくと…なんとカウンターの中が血だまりになっていたのです。
常連の男性は仰天しすぐに通報、警察が駆け付け捜査が開始されました。
しかし、いくつかの不審な点が警察を悩ませます。
まずはなぜ死体が見つからないのか。
後の捜査で床に引きずった跡のような血痕が発見されましたが、店を出てからの行方が分からなくなっているのです。
また、ホーガンを殺害したと思われる人物はレジなどに手を出していません。
これで強盗の線も消えてしまいます。
怨恨の線で捜査を進めますが、ホーガンは人から恨みを買うような性格の女性ではなかった、と周囲の人間が口を揃えて証言するのでこちらも難航。
結局は広大な平原の真ん中に位置する小さな町、プレインフィールドで発生したこの事件は行方不明事件として処理されてしまうのです。
しばらくの間は町の人々の話題はこの事件のことでもちきりとなります。
ある日も二人の男が、仕事の合間にこの事件について話をしていました。
町で製材所を営んでいるウェックという男性がもう一人の男に話しかけます。
そのエディという男は下戸で、酒があまり飲めないにもかかわらず頻繁に酒場へ顔を出し、ホーガンの様子を気にしていたことをウェックは知っていました。
好意を持って店に通っていたのだと見当がついていたのです。
しかし、エディという男は軽く笑いながらこう答えました。
ウェックは「何を言っているんだ」とは言いません。
エディが心を痛めており、現実を受け止められないのだと解釈し、適当な相槌を打って話を終わらせることにしました。
しかしこのエディこと、エドゲインはいつまでも笑顔を崩すことはありませんでした。
第二の殺人

2つ目の殺人は1957年に起きました。
プレインフィールドで金物屋を営んでいる、バーニス・ウォーデンという女性が殺害されたのです。
その日はこの町唯一の娯楽である、鹿狩りが解禁される日とあって町から男たちの影は消え、閑散としていました。
彼女の息子、フランクも同様に鹿狩りへ出かけており、彼女は一人で店を開け、留守番をしていました。
フランクが帰ったのは日が暮れたころ。
明かりが漏れる自分の店のドアに手をかけた時に異変に気付きます。
内側から鍵がかかっていたのです。
不審に思いながら合鍵でドアを開けたフランクの目に飛び込んできたのは、衝撃的な光景でした。
激しく荒らされた店内、そしてなにより床一面に血だまりが広がっていたのです。
母親のバーニスの姿は見当たりません。
彼は叫びたい気持ちを抑えながらすぐさま警察へ通報、店内を改めて見渡します。
ふとレジが無くなっているカウンターに目をやると、売上伝票が目につきました。
その日の売り上げは1点のみ、伝票の宛名は「エド・ゲイン」となっていました。
実は彼は町から人が少なくなるこの日を狙い、計画的にウォーデンの店を訪れていたのです。
エドゲインは買い物を済ませた後、「ライフルを買い替えたいから少し見せてほしい」と言い店にあったライフルをウォーデンから受け取ります。
そしてライフルを手に取り品定めをしているように見せながら、弾を込めてその場でウォーデンを射殺したのです。
現場証拠から殺人の被疑者となったエドゲインの家に警察が踏み込むと、そこに広がっていたのはこの世の地獄ともいうべき光景でした。
身体の一部が欠損した死体が、家の中一杯に散乱していたのです。
それも1人や2人の量ではありません。
エドゲインは即日に逮捕、この猟奇的ニュースはアメリカ全土に衝撃を与えました。
エドゲインを検索してはいけないのはなぜ?

彼は生涯に2度の殺人を犯しました。
それだけでも断罪されるべき人間と言えるのですが、彼の狂気の本質はここにはありません。
エドゲインは、人間の死体を墓場から掘り起こし、その死体を「作品」「記念品」として加工する、ということを日々行っていたのです。
地元の墓場を回り、遺体を掘り起こしては自宅にそれらを持ち帰り、加工しやすいように身体をパーツごとに分ける。
こういった「作業」をライフワークとしていたようです。
「エドゲイン」という名前を検索してはいけない理由はここにあります。
彼が実際に人間の身体の一部を使用して作製したおぞましいコレクションや、そのレプリカが画像として検索にヒットしてしまうからなのです。
まるで殺人博物館?!死体を家具として利用!

彼は、人間の死体をあらゆるものに加工していきました。
私たち一般人には、「アクセサリーや小物などに使う」くらいしか想像できません。
そもそも想像することすら脳が拒否する、というのも理由かもしれませんが。
しかしエドゲインの狂気はそんなレベルには留まらなかったようです。
彼はなんと椅子やベッドまでも、人間のパーツを使って作製、修飾していたのです。
あらゆるパーツを保存、あるいは加工し続けた彼が住んでいた家は、逮捕後も警察などの捜査関係者からは「殺人博物館」と呼ばれ、忌避されていたと言います。
エドゲインが作った作品コレクション8選!

ここからは20世紀を代表するサイコキラー、エドゲインの作品を実際に見ていくことにしましょう。
彼は何を思い、何を考えこれらを作成したのでしょうか。
今となっては知る由もありませんが、彼の心の闇を少しだけ覗いてみましょう。
①頭蓋骨で作った食器

1つ目から衝撃的なインパクトですね。
エドゲインは人間の頭蓋骨の上半分を切り取り、残した下側を皿やカップとして利用していたようです。
ただしこちらは本物ではなく、Twitter上で紹介されていたエドゲインの食器を模した指輪です。
本物ではないので悪しからず。
②皮で作ったランプシェード

こちらも画像は本物ではなく、おそらくはエドゲインのフォロワーが作成したものだと思われます。
しかし本家エドゲインはこういった加工物ではなく、実際に人の顔の皮を剥がし、それらをつなぎ合わせてシェードの部分を作製していたのです。
ランプを灯すと光に照らされて個人の顔が浮かび上がるといった仕様でしょうか。
その光景をおぞましいと思えるあなたは幸運にも正常な人間ということですね。
③骨を柄にしたカトラリー

カトラリーとは食器類の中でもフォークやナイフといったものの総称です。
画像で言えば右下の部分、ナイフとスプーンらしきものが見えていますね。
実はこの画像、正真正銘の本物なのです。
実際に捜査を行った際に押収されたものということです。
柄の部分が明らかに人間の骨を加工して作られているのがわかります。
先ほどの頭蓋骨を加工したカップと合わせて食事を行っていたのでしょうか。
④手の皮膚で作った手袋

こちらも実際にエドゲイン本人が作成したものだそうです。
人間の手の皮を縫い合わせて作っているため、掌紋が残っておりかなり生々しいですね。
またそれだけではなく、組織が壊れたりしないように防腐剤などで細やかな加工も行っているようです。
実際に何かの作業で使用していたのでしょうか。
⑤顔の皮膚で作ったマスク

これも捜査の過程で押収された本物の人間を使用したマスクだそうです。
エドゲインが作成したマスクは1枚だけではなく、かなりの数が自宅に保管、あるいは飾られていたと言います。
しかも画像をみてわかる通り、髪の毛までしっかりと残っており、よりおぞましさが増しています。
⑥舌で作ったネックレス

これまた見た目のインパクトが絶大なこのネックレスは、人間の舌を引き抜き、それらを集めて作成したものだそうです。
余すことなく人間の身体を使用しているのには感嘆すら覚えますが、それ以上に冒涜的なデザインをしていますね。
ただし実際に着用している写真が残ることは道義的にもあり得なさそうなのでこの画像についてはフェイクとされています。
⑦女性の皮膚で作った胴着

こちらの画像は本物ではなく、エドゲインに影響を受けたアーティストの作品だそうです。
見ただけで吐き気を催すような冒涜的なデザインですね。
エドゲイン本人のものは更に輪をかけて悪趣味で、胸の部分にはそのまま女性の乳房の部分を残していたそうです。
彼は夜な夜なそれを身に着けては、一人で悦に浸っていたそうです。
⑧女性の乳首で作ったベルト

こちらも見るだけで吐き気を催すようなデザインのベルトです。
女性の乳首だけを切り取り、ベルトの皮部分に張り合わせて装飾したものだそうです。
おそらくこれは実際のものではなく、エドゲインリスペクトのアーティストのものだとは思いますが再現度が凄まじいだけにかなりの狂気を感じますね。
エドゲインのコレクションはどこの博物館で見られる?

紹介したエドゲインの作品はこれでもほんの一部であり、実際には踏み込んだ警察官が精神的ショックから心を病んでしまうほどさまざまなコレクションがあったと言います。
そんなエドゲインが遺したコレクションの数々は、悪影響が計り知れないとして、警察が全てを押収したそうです。
彼が暮らした家は競売にかけられましたが、住民が猛反発し土地ごと家に放火し、焼け野原となったようです。
住民の気持ちを考えれば当然でしょうね。
唯一、彼が乗っていた自家用車は競売にかけられ人の手に渡りました。
ただ、「殺人犯の自家用車を見よう!」という悪趣味な見世物として展示されブーイングが殺到。
こちらも廃棄されたため現在では実際にエドゲインのコレクションを見ることはできないようですね。
エドゲインをモデルにした映画とは?!日本の漫画にも影響?

当時、エドゲインが起こした一連の事件が与えた社会への影響は計り知れないものでした。
精神異常者が巻き起こした常軌を逸した殺人事件は、ある種ブームとも呼べる狂乱を巻き起こし、映画や音楽といったカルチャーにも多大な影響を及ぼします。
彼をモデルにした映画の中には、現代まで語り継がれる名作と呼ばれるものが数多くあり、またその映画に影響を受け生まれた日本のマンガも存在しています。
ここからは彼の影響を受け生まれた文化の中でも代表的な映画を見ていきましょう。
ヒッチコック監督作品「PSYCHO(サイコ)」

この「PSYCHO(サイコ)」は1960年、「サスペンスの巨匠」と呼ばれた映画監督、アルフレッド・ヒッチコックによって製作されました。
公開するとともに稀代の傑作サイコホラー・サスペンスと評判を浴びた名作で、この記事を見ている皆さんの中にも見たことがあるという人は多いでしょう。
ただそうでない人のために、「PSYCHO」の簡単なあらすじだけご紹介しましょう。
舞台はアリゾナ州、借金を背負っているため結婚に踏み切れないサムという男性のために、その交際相手のマリオンは出来心で、勤めている会社の売り上げ金を横領してしまいます。
横領したそのお金でサムと一緒になるため、彼女は男性の住む町へと車を走らせますがその途中、休息をとるためモーテルへとチェックインします。
ノーマンという青年が年老いた母と2人で経営しているというそのモーテルはどことなく不気味な雰囲気を醸し出しています。
マリオンは精神的な疲れもあるため、早めの休息をとりたいと早々に食事を済ませシャワーを浴びるのですが、シャワーカーテン越しに現れたのは、ナイフを手にしたノーマンでした…。
得体のしれない恐怖が少しずつ近づいてくるような緊迫したカメラワーク、実際に息遣いまで聞こえてきそうな焦燥感…。
ヒッチコックの映画技法の素晴らしさは多くの人々の心を捉えました。
またこの映画に登場する精神異常者の心情をリアルに描き出し、狂気と恐怖を演出したことでも話題を呼びました。
しかしこの映画の一番の見どころは登場する殺人鬼の精神の狂気性であると言えます。
そしてその狂気性のモチーフになったと言われているのがエドゲインなのです。
常軌を逸した精神性と、母親、そして女性への異常ともいえる強い執着。
これらの異常性をエドゲインを参考にして見事にスクリーンに描き出し、サスペンス映画に新たなジャンル、「サイコホラー」を定着させたのです。
エドゲインをモチーフにした映画は他にも?

世紀のサイコキラー、エドゲインをモチーフにした作品はこれだけではありません。
不朽の名作とされる映画は「PSYCHO」の他にも数多くあります。
有名なものを紹介していきましょう。
悪魔のいけにえ
1973年ごろ、テキサス州では墓荒らしが多発しており、盗掘した死体をモニュメントのように飾り立てるという奇怪な事件が続発していました。
そんなことは知らない男女の若者のグループが夏休みを利用し、テキサスへとドライブに出かけますが道中で不気味な男のヒッチハイクに応じてしまいます。
男の言動に異常さを感じた彼らは男を追い出しますが、タイミング悪く車がガス欠を起こします。
立ち寄ったガソリンスタンドもガソリンが切れており、立ち往生を余儀なくされた一行は、足止めついでに近辺の空き家を散策することにします。
しかし訪れた空き家の中には醜悪なオブジェが記念品のように並んでおり、異様な雰囲気。
空き家に足を踏み入れると、人間の皮のようなものを被った異常な姿の男、「レザーフェイス」が現れ…。
「醜悪なオブジェ」、「人間の皮を被った男」という特徴でおわかりの通り、「レザーフェイス」のモチーフはエドゲインとなっています。
墓から死体が盗まれ、身体のパーツを使ったオブジェが作られているなど細部まで事件の内容をオマージュしていますね。
羊たちの沈黙
ミズーリ州カンザスシティで、女性ばかりが狙われる連続殺人事件が発生します。
しかもその犯行は身体の一部の皮をはいで川に沈めるという残虐で異質なもの。
「バッファロー・ビル」と呼ばれる犯人の人物像を探るため、FBI候補生であるクラリスは、優秀な頭脳を持ち精神科医を勤めていたレクター博士という人物と接触します。
レクター博士は患者を殺害し食していたとして逮捕、収監されている異常者ですがクラリスは彼との会話の中で犯人への手がかりを少しずつ掴んでいき…。
こちらも超がつくほどの有名作品ですね。
この映画の連続殺人犯、「バッファロー・ビル」の人物像や犯行は過去の凶悪殺人犯を基にしており、エドゲインも皮を剥ぐという特異な犯行や犯人の歪んだ性癖のモチーフとなっているようです。
ゴールデンカムイも影響を受けた?!

アニメ化もされた大人気漫画、「ゴールデンカムイ」の作中にも、明らかにエドゲインをモデルとしたキャラクターが登場しています。
その人物の名は江渡貝 弥作(えどがい やさく)といい、名字の響きからもエドゲインを意識していることがわかりますね。
彼は人間の皮を加工し革細工を作製する奇人で、作中でも材料を調達するために夜な夜な墓を漁り、死体を調達していることが描写されています。
幼少期に母親から受けた歪んだ愛情が彼の人格を形成した結果、人間の皮に執着する異常性を発現してしまったということです。
名前、設定などどの視点から見ても間違いなくエドゲインの影響を受けたキャラクターですね。
またアニメや実写などあらゆるコンテンツで人気を博した剣客マンガ、「るろうに剣心」にもエドゲインをモデルにしたキャラクターが登場するようです。
人間の死体を基にした人形を作製し、それを鋼の強度の糸で操り戦う、自称「芸術家」の悪役として描かれており、その名も「外印(げいん)」となっています。
こちらも名前からしてあからさまなモチーフとなっていますね。
エドゲインの生い立ちが衝撃的?原因は母親?
![過去最多件数となった横浜市の児童虐待、今後どうなる? - [はまれぽ.com] 横浜 川崎 湘南 神奈川県の地域情報サイト](https://hamarepo.com/writer/story/images/images/hamarepo/matsuyama_yusuke/2016/06/20160609gyakutai/001.jpg)
エドゲインは生まれながらにしての殺人犯だったわけではありません。
彼がなぜこんなことをしたのか、というのは当時から現在まで研究され続けています。
その中で最も有力であり、かつわずかに哀れとすら思える理由の一つが、病に侵された父親と、母親からの歪んだ愛情によるいびつな生い立ちでした。
エドゲイン、エドワード・セオドア・ゲインは1906年、ウィスコンシン州で母・オーガスタと父・ジョージの間に次男として生まれます。
ゲインの母オーガスタは、キリスト教の中でもとくに保守的で、厳格な教えを持つ旧ルーテル派という派閥の信徒であり、人間の邪悪な部分への嫌悪から他人に厳しい性格だったと言います。
父のジョージはアルコール依存症であり、頼りにならなかったことからオーガスタは「すべての男性はみな邪悪である」と考え、息子2人はそうすまいと教育を行うことを決意します。
エドゲインは母親からゆがんだ教育を受けていた?

ジョージ一家はやがて同じウィスコンシン州のプレインフィールドで農場を営むことになります。
その農場が少し辺鄙(へんぴ)な立地だったこともあり、オーガスタはこれ幸いと兄とゲインを学校へ行く以外、外の世界と関わらせないことを徹底します。
聖書を毎日のように読み聞かせ、加えて「周りの人間はみな汚れているから友人を作るな」と指導します。
特に飲酒、それから異性とのかかわりについては最も禁忌であり、絶対にかかわらないようにと徹底して教育を行っていたようです。
しかし幼きゲインには敬愛するオーガスタの教えが全てだったため、この頃に教わったことが彼の中心になっていきます。
そんな日々を経て成長するゲインでしたが父ジョージと兄ヘンリーが相次いで亡くなると、オーガスタも精神的ショックから体調を崩し、やがて亡くなってしまいます。
もはや天涯孤独の身となったエドゲインに残されていたのは、母オーガスタによる歪んだ教えと抑圧された衝動だけでした。
やがて彼は、夜な夜な墓場を掘り返しては、女性の死体から皮を剥いで衣服や日用品を作製する、という狂気的な行動を行うようになります。
女性の身体をまとうことで自分が敬愛する母親と一体化することを求めた、というのが心理的な要因であると言われています。
エドゲインの逮捕後

「狂気の死体漁り」、エドゲインは逮捕後すぐに裁判にかけられました。
しかし彼はもはやまともな状態ではなく、「精神分裂症」(現在でいう統合失調症)と診断されたのです。
精神病患者を罪に問うことはできないため、なんと判決は無罪となります。
彼は刑に服すことなく精神病院に収容されました。
エドゲインの最期

精神病院で過ごす彼は穏やかで、職員や患者とも打ち解け模範囚として過ごしたと言います。
そんな日々を過ごしエドゲインは1984年、77歳で肺がんによりこの世を去ります。
彼の遺体は自身が最後に過ごしたプレインフィールドの墓地の中、彼のすべてだった最愛の母親、オーガスタの隣に埋葬されています。
検索してはいけない人物、エドゲインは後世に大きな影響を与えた
![フリー写真] 街の通りと街灯の下の男性でアハ体験 - GAHAG | 著作権フリー写真・イラスト素材集](https://gahag.net/img/201605/22s/gahag-0088461776-1.jpg)
今なお話題に上ることの多い伝説のシリアルキラー、エドゲイン。
その血と狂気に塗れた生涯、そして彼の記念品ともいうべきおぞましきコレクションの数々をご覧いただきました。
彼は死後も映画やアートなどの芸術の分野にもその影を落とし、衝撃を与え、畏怖され、あるいは崇拝され続けているのです…。