あなたはヨモツヘグリという食物を知っていますか?
果物の名前かと思う方が多いのですが、ヨモツヘグリは「食べると黄泉の国から出られなくなる」ヨモツへグイ(黄泉戸喫)という食物でもあります。
ヨモツへグイ(黄泉戸喫)については色々な逸話があり、ヨモツヘグリについて調べていくと少し怖い話が出てきました。
「千と千尋の神隠し」や「君の名は。」にも登場するという噂もありますが、どのシーンがそれにあたるのでしょう。
今回はそんなヨモツヘグリ果物についての話や食物として本当に食べられるのか、さらにヨモツへグイ(黄泉戸喫)となった元ネタについてまとめていきます。
知れば知るほど、興味が湧いてくる話でしたので、ぜひ最後まで楽しんで見てもらえたら嬉しいです!
目次
ヨモツヘグリ果物は黄泉の食物?食べてしまったらどうなる?
ヨモツヘグリは、正確には果物ではなくヨモツへグイ(黄泉戸喫)です。
この食物を食べるということは、黄泉の食物を食べるということです。
「黄泉」とは「地下の泉」を意味し、つまりあの世・地下の死者の世界という意味ももちます。
それでは、ヨモツヘグリを食べてしまったらどうなってしまうのでしょうか?
ヨモツヘグリ果物はヨモツヘグイ!黄泉の料理を食べるということ!
ヨモツへグイというものは元々「黄泉竈食い」というものでした。
直訳すると、「地下の死者の世界の竈を食べる」という意味ですね。
ヨモツへグイが「黄泉戸喫」とも表すこともあるのは、
「戸」が「竈」
「喫」が「口から喉を通して腹の中へと入れる・食べる」
という意味ともなっているからです。
「黄泉竈食い」も「黄泉戸喫」も、どちらも「地下の死者の世界の竈を食べる」ということを表しています。
ヨモツヘグイをすると現世には二度と戻れない?
それでは地下の死者の世界の竈を食べると、現世には二度と戻れないのでしょうか?
ここからヨモツヘグリ果物というものを知らなかった人も少し怖い予感がしてきたのではないでしょうか?
その予感通り、ヨモツへグイを食べると、現世には戻れないという話がいくつかありました。
それではそのことについてさらに詳しくみていきましょう。
黄泉戸喫(ヨモツヘグイ)の怖い話がヤバい!
ヨモツへグイ(黄泉戸喫)には「供食信仰」とも関係があるとも言われていました。
「供食」とは、家族や親族、地域社会などの大きな共同体で同じ飲食物を共にするということです。
このことから、同じ飲食物を共にすることで、一体化を図ることを意味しています。
そのためヨモツへグイ(黄泉戸喫)をすると、死者の世界の人と同じ食物を食べ、黄泉の国の一員となるということを表してしまうのです。
つまり、ヨモツヘグリを食すことで現実世界の住人ではなくなってしまう、ということですね。
ヨモツヘグリ果物の元ネタは?日本神話が関係している?
実は、ヨモツヘグリ果物の元ネタは日本神話が関係していると言われています。
実際に情報を集めていると、海外の話はあくまで日本の話から広まったように考えられました。
それでは、どのような元ネタがあるのか紹介していきます。
ヨモツヘグリ果物の元ネタは仮面ライダー鎧武?
仮面ライダー鎧武にヨモツヘグリが出てきたことがありました。
どのような話かというと、ヨモツヘグリを食べて龍玄がパワーアップをするという内容でした。
端的にいうとヨモツヘグリを食べたことで死者の体になり、生きているときにはできないこともできるようになったということです。
もし黄泉のものの力を借りて強くなっている、ということであれば少し恐ろしい内容だなと感じますよね。
ヨモツヘグリ果物の元ネタは古事記?
ヨモツヘグリ果物の元ネタは古事記であるという話が最も信用できそうな内容でした。
夫であるイザナギと妻であるイザナミが登場し、イザナミが死んでしまったために、イザナギが「ヨモツへグイ」をして最愛の妻のイザナミを迎えにいく所から話は始まります。
するとイザナミは、黄泉の国の神であるヨモツカミに現世に帰りたいと相談します。
イザナミはこのとき、イザナギに絶対に自分の姿を見ないように伝えるのですが、イザナギはイザナミの姿を見てしまいます。
そのイザナミの姿といったら、ウジが湧いており、肉体には8つの蕾があるというとんでもない姿でした。
イザナミは約束を破ったイザナギに怒り、逃げるイザナギに黄泉の国の化け物や鬼女をぶちまけます。
生と死の境目まできたイザナギは、イザナミに捕まりそうになったときに近くにあった木の桃を投げつけ、黄泉の国から帰還することができたということです。
「古事記」に出てくる生と死の境目というものが、島根県の「黄泉比良坂」という坂で、イザナミが祀られているようです。
黄泉戸契(ヨモツヘグイ)というのは『古事記』に出てくる言葉で、黄泉の国、即ち冥界の食べ物を口にすることを言います。
— 森瀬 繚@物語仕事歓迎 (@Molice) August 23, 2014
ヨモツヘグイはギリシャ神話にも登場する?
ヨモツへグイは実はギリシャ神話にも登場していました。
春の女神であるペルセポネが、冥界で4粒のザクロを食べてしまい、4ヶ月を冥界で過ごすことになったというものです。
少し古事記とは違いますが、冥界のものを食べたために冥界から出られなくなったという点では似ていますね。
黄泉戸喫(ヨモツヘグイ)を題材にした作品3選が凄すぎる?
ヨモツへグイ(黄泉戸喫)を題材にした物語は日本にもいくつかあります。
「千と千尋の神隠し」や「君の名は。」において、はっきりとした描写や監督からの明言はないものの、ヨモツへグイ(黄泉戸喫)を連想させる内容となっています。
果たして作品内で、何を口にしていたのでしょうか。
以下に、その3つの話を紹介しますので、映画のシーンを思い浮かべながら見ていきましょう。
黄泉戸喫作品①千と千尋の神隠し
有名な「千と千尋の神隠し」ですが、誰もが印象的なのは千尋の両親が異世界で食事をして豚になってしまうシーンではないでしょうか?
千尋は豚になってしまった両親のために奮闘します。
これは、異世界のものを食べてしまったために異世界にいることになってしまった両親を救うという、ヨモツへグイ(黄泉戸喫)が連想できる話といえるのではないでしょうか。
ヨモツヘグリ、結局ザックリとしか分からなかったけど、とりあえず黄泉の世界の食べ物で、それを食べたらもう現世には戻れないということか。
千と千尋の神隠しでもそんなのあったっけ。— にしとも (@24nishitomo) August 31, 2014
黄泉戸喫作品②仮面ライダー鎧武
次は、仮面ライダー鎧武の「ヨモツヘグリアームズ!冥・界ヨミヨミヨミ!」に登場する呉島光実についてです。
変身した姿では、ヨモツヘグリロックシードにより、桁外れの強さを発揮するというシーンがあります。
これもヨモツヘグリロックシードという名前からヨモツへグイ(黄泉戸喫)を思い出す人もいるのではないでしょうか。
黄泉戸喫作品③君の名は。
最後に紹介するのは、「君の名は。」です。
この映画を見たとき、難しいと感じる方も多かったのではないでしょうか。
今考えると、難しいと感じたのは時間軸だったかもしれません。
主人公の龍は、既に死んでいる三葉を現世に連れ戻すために隔り世で口噛み酒を飲みます。
これで2人とも黄泉の国の住人となり、互いに干渉することができます。
このようなヨモツへグイ(黄泉戸喫)の話を知っていたら、さらに奥深い作品として鑑賞できるかもしれませんね。
ヨモツヘグリは果物ではなく黄泉の食べ物!
これまでのことをまとめると、ヨモツヘグリ果物とは黄泉の国と大いに関係がある食物であるといえます。
主に古事記の内容が中心のようですね。
そして、この話を元にさまざまな作品が作られているようです。
今一度、ヨモツへグイ(黄泉戸喫)の話を頭に入れて紹介した作品をもう一度見返してみるのはいかがでしょうか?