佐世保小6女児同級生殺害事件は小学生の女の子が同級生を殺害するという衝撃的な事件で、当時は大きな話題となりました。
その加害者はネバダたんと呼ばれています。
なぜ、その事件の加害者をネバダたんと呼ぶのでしょうか?
また、ネバダたんの起こした事件とはどのようなものだったのでしょうか?
佐世保小6女児同級生殺害事件とは?

佐世保小6女児同級生殺害事件とは、2004年に起こった事件です。
その事件の加害者がネバダたんと呼ばれています。
まずは、ネバダたんが起こした事件の内容を確認してみましょう。
※ネバダたんは顔や名前などがネットで特定されています。しかし、ネバダたんは当時は小学生であり、近年では忘れられる権利も重要視されています。そのため、本記事では事件当時の内容を中心とし、個人を特定できる顔や名前などには触れていません。
ネバダたんと被害者の関係

ネバダたんと被害者は同じ小学校に通う同級生でした。
また、交換日記をグループでしていたり、コミュニケーションサイトの掲示板でやりとりもしたりなど、仲も良かったようです。
しかし、2人の関係は少しずつ悪化していくことになります。
事件の始まりとなった「おんぶ」

ある日、被害者がネバダたんをおんぶすることがあったようです。
その際に、被害者が「重い」と言います。
その言葉を聞いて、ネバダたんは「失礼しちゃう」と返したそうです。
ネットでのやりとり

おんぶでのやりとりの後、被害者はコミュニケーションサイトにネバダたんの言い方が「ぶりっ子だ」と煽るような書き込みをします。
2人はサイトのパスワードを被害者と共有していたので、自分に対する煽りを見つけたネバダたんはその書き込みを削除します。
しかし、被害者は再び削除された内容の書き込みをします。
また、被害者は「荒らしにあった」「どうせあの人がやってる」などの書き込みもしました。
このやりとりによってネバダたんは怒りの感情を強め、被害者のアバターを変えたり、初期化するなどの荒らしもしたそうです。
交換日記でのやりとり

グループで行っていた交換日記でも、2人の関係を悪化させる出来事が起こっています。
ネバダたんは次に交換日記を書く人を表すために「NEXT ◯◯」と書いたところ、グループ内でその書き方が流行りました。
その際に、ネバダたんは「真似しないで欲しい」と、自分の意見をグループに伝えます。
多くの仲間がその意見に納得して「NEXT ◯◯」を使わなくなりました。
しかし、被害者は「英語だからパクリではない」と反論したことで、2人の関係はより悪化することになります。
その後、「交換日記を抜けたい」と書いたメモを被害者は友人に渡し、ネバダたんもそのメモを見ます。
その内容を確認すると、友人に対して「全部やめちゃえば」と伝えたそうです。
給食の時間に被害者を呼び出す

ネバダたんがメモの確認したのは2時間目の休み時間でした。
その日の給食の準備時間に「ちょっとおいで」とネバダたんは被害者に声をかけて、教室から少し離れた学習ルームに呼び出します。
ネバダたんは部屋のカーテンを閉め、被害者には椅子に座るように指示しました。
事件の発生

ネバダたんは椅子に座らせた被害者の背後から手で目を隠して、カッターナイフで首を斬りつけます。
被害者には首以外の場所に抵抗した際についた傷もあったそうです。
被害者は抵抗しましたが何度も斬りつけられ、最終的に被害者は倒れこんでしまいます。
犯行からの15分

被害者が倒れた後、ネバダたんはすぐに教室に戻らずに学習ルームに15分も滞在します。
その15分の間に、手についた血をハンカチで拭き、被害者が動かないことを確認するために顔を覗き込んだり、体に触ったりなどしたそうです。
その頃、教室では給食の準備が終わり、「いただきます」をしようとしたタイミングでした。
しかし、そのとき2人が教室にいないことに担任が気がつきます。
教室に戻ったネバダたん

2人がいないことに担任が気がついたとき、廊下から走る音が聞こえます。
そこへ大量の返り血を浴びたネバダたんが教室に戻ってきます。
その手には血のついたカッターナイフとハンカチが握られていて、ズボンの裾は血で真っ赤に染まっていたそうです。
大量の血を浴びたその姿を見た担任は、最初「大怪我をしている」と勘違いして体の確認をしました。
しかし、怪我をしていなかったので事情を尋ねると、ネバダたんは「私の血じゃない…」と言ながら学習ルームを指差します。
現場の状況

担任が学習ルームを確認すると、血まみれで倒れている被害者を発見します。
このとき被害者はまだ息があり、担任は止血を試みながら大声で「救急車!」と叫びました。
その叫び声を聞いた別の教師が状況を把握して職員室に走り、教頭に状況を説明します。
しかし、あまりにも突拍子のないことであり、教頭は状況が理解できずに現場を確認しに行きました。
凄惨な現場を見た教頭は即座に119番通報をします。
また、被害者の父親にも連絡されました。
警察の到着

通報を受けて救急車が到着するも、救急隊員は病院への搬送を断念して警察に連絡することとなってしまいます。
また、救急隊員が教師に「詳しい状況を知っている人から話が聞きたい」と伝えると、ネバダたんが連れてこられました。
その際に「私がカッターで切った」と答えたことで、事故ではなく殺人であることが明確になります。
警察が到着するとネバダたんは校長室で事情聴取され、その後は場所を警察署に移して、さらに事情聴取が進められました。
警察の発表と被害者の父親の記者会見

警察は事情聴取の結果から殺人事件と判断し、20:30には事件として発表しました。
また、21:00には被害者の父親が記者会見を開きました。
事件発生が給食の時間なので、ここまでの時間はわずか9時間ほどとなります。
現在のネバダたん

事件後のネバダたんは鑑別所で過ごし、その後に少年審判が開かれました。
少年審判の結果は児童自立支援施設送致と2年間の強制的措置を取れる保護処分となります。
2008年には児童自立支援施設を退所して、現在は社会復帰されています。
なぜ加害者はネバダたんと呼ばれるようになった?

ネバダたんは当時小学6年生であり、当然ながら個人に関する情報は公開されませんでした。
では、その呼び名はどこからついたものなのでしょうか?
加害者がネットで特定される

加害者の情報は公開されませんでした。
しかし、事件が大きな注目を浴びたことで、ネットでは加害者の特定が行われることになります。
その際にネバダたんが特定された画像では、胸に「Nevada」と書かれた服を着ていました。
また、加害者が小学生と幼かったことから「たん」が付け加えられたことで、ネットでは「ネバダたん」と呼ばれるようになりました。
「史上最も可愛い殺人者」となる

ネバダたんが特定された画像では、かわいい顔をしていることも話題となりました。
そのため、「史上最も可愛い殺人者」とも言われています。
しかし、「こんなに幼いのに…」「かわいい顔しながら…」などと、事件の内容と見た目のギャップに衝撃を受けた人も多かったようです。
イラスト化されたネバダたん
ネバダたんの心の闇が現れている様な
蛾とか蝶がもっとリアルだとさらに毒々しいかもです pic.twitter.com/9s2A6cibTx
— 金太郎 (@sousui1208) January 16, 2015
事件の内容と見た目のギャップでネット上に衝撃を与えました。
また、ネバダたんにはファンのような存在まで現れるようになり、イラスト化されることも増えていきます。
多くのイラストが描かれましたが、「Nevada」の服を着て、カッターナイフを持ち、返り血を浴びているものが多かったようです。
コスプレまでも人気になる
ネバダたん知っとる奴おる?
今どうしてんだろか pic.twitter.com/kQiVH6iQC6— 佐倉 (@39rn_) July 5, 2014
ネバダたんはネットの一部で人気が出てしまいます。
その人気はイラスト化だけではなく、コスプレも登場していたようです。
しかし、加害者と被害者のどちら側からも、このような認知の広まり方はあまり良いことではないでしょう。
当時の現在では物事の考え方異なります。
おそらく、現在であれば、このような認知の広まり方はしないでしょう。
ネバダたんはどんな少女だった?

事件当時のネバダたんは小学生でした。
その頃のネバダたんはどのような人物だったのでしょうか?
ミニバスケットボール部に所属

ネバダたんはミニバスケットのクラブに所属していました。
そのため、活発で元気な少女であったことが想像できます。
ただし、クラブは成績が落ちたことから、5年生のときに保護者に辞めさせられています。
クラブを辞めさせられたことで反抗心を持つようになり、事件のきっかけになったと言われることもあるようです。
しかし、クラブを辞めることは学生にとって珍しいことではなく、殺人のきっかけとなるほどの影響を与えたとは考えにくいでしょう。
性格は真面目

バスケットで成績を落としたこともあるネバダたんですが、基本的には真面目で優秀な生徒だったそうです。
事件後の弁護士との会話でも「1人で悩んで、1人で考えていた」「よく考えて行動すればこんなことにならなかった」など、子どもとは思えないしっかりした返答をしていたそうです。
また、児童相談所の所長と教育委員会の会長が開いた記者会見でも「面談の印象ではごく普通の女の子」と答えています。
韓国好き

ネバダたんの事件はネットだけでなく、当時はテレビでもよくニュースが流れていました。
その報道の中でネバダたんが描いたイラストが公開されています。
そのイラストは女性の絵であり、ハングル文字が添えられていました。
事件当時は2004年であり、韓国アイドルや韓国文化の流行はまだ少し先です。
そのため、「ネバダたんの両親は韓国の人?」と噂が流れたこともあるようです。
しかし、この時期は冬ソナブームだったので、韓国に興味を持っていてもおかしくはないでしょう。
バトロワ好き

ネバダたんは映画「バトル・ロワイヤル」が好きで、何度もレンタルショップでレンタルして観ていたそうです。
しかし、「バトル・ロワイヤル」はR-15指定なので、本人の会員証ではレンタルできません。
そのため、姉の会員証を使ってレンタルしていました。
「残虐シーンの多い映画を観ていたことが事件のきっかけになったのでは?」と言う人もいるようです。
幼い子に残虐シーンを観せるのは良いこととは言えませんが、1本の映画がこれほど大きな事件を起こすほどの影響を与えたとは考えにくいでしょう。
当時はすでに現在と同じようにネットが普及していました。
もし、残虐性や暴力性に興味があったとすれば「バトル・ロワイヤル」よりも過激な画像や映像をネットで観ていてもおかしくないでしょう。
しかし、ネバダたんはホラー小説などにも興味はあったものの、過激な残虐性や暴力性に興味を持っていたという情報はありません。
発達障害があった?

ネバダたんは自立支援施設で発達障害と診断されていることから、「発達障害が事件の原因?」と思った人もいるようです。
しかし、その発達障害は「非常に軽いものであり、正常な判断ができないものではなかった」と言われているようです。
また、クラブに所属していたことや交換日記をしていたことなどから、「友人との交流があるので発達障害は誤診」という意見もあります。
弁護士との会話でもしっかりと返答ができていることから、「精神鑑定は不要」との判断も受けています。
そのため、発達障害はその有無に関係なく、事件には大きな影響を与えてはいないようです。
ネバダたんの起こした事件だけを忘れないようにしよう

ネバダたんは佐世保小6女児同級生殺害事件の加害者です。
事件当時は加害者の情報は公開されませんでしたが、ネットで特定されることになりました。
その際に「Nevada」の服と、かわいい顔からネットの一部で人気を得ることにもなりました。
しかし、ネバダたんは2008年に社会復帰をされていて、加害者には忘れられる権利があります。
そのため、非公開にされている情報をむやみに拡散することや、現在を詮索しすぎることは避けるべきでしょう。
ただし、事件には被害者もいます。
事件の凄惨さを忘れないためにも、その内容は知っておくようにしましょう。