海外でエイズを公表している、女性芸能人は少ないようです。
男性に比べて、そもそも女性が感染することは少なかったのかもしれません。
しかし当時のエイズ公表による偏見や差別は、女性にとっては耐え難いことだったことも想像に難くありません。
若くしてエイズを発症し、死んだらどうしようという末期の苦しみは、想像をはるかに超えるものだったでしょう。
そのような環境下で、エイズを公表をした女性3人をご紹介します。
目次
1.リサ・デリュー
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アメリカ出身のリサ・デリューさんは、約200本の映画に出演したのポルノ女優です。
1970年代後半からハードコアポルノへの出演を始めたようです。
1993年にエイズで亡くなったと言われていますが、2000年にはまだ生きていたという証言もあリます。
2.ジア・キャランジ
ファッションモデルのジア・キャランジさんは、スーパーモデルの先駆者として知られる存在です。
若くして麻薬中毒になり、1986年にエイズのため、26歳でこの世を去りました。
彼女は両性愛者だったとも言われています。
3.オフラ・ハザ
イスラエル出身の歌手で、世界的な人気を得ていたオフラ・ハザさんは、2000年にエイズのため亡くなりました。
HIVの感染原因としては、夫のアシュケナージさんからの感染や、流産をした際の輸血が疑われています。
なお夫も2001年に、ドラッグのオーバードーズによって他界しています。
HIV・エイズは治る?感染の原因や症状などを解説!
HIV感染が流行していた当時は、多くの芸能人がエイズで亡くなりましたが、治療の研究が進み、今では適切な治療を受ければ発症することはありません。
死んだらどうしようという不安はなくなりましたが、完治する病気には至っていません。
ここからはHIV感染の原因や症状を解説します。
エイズとは?治療しないと数年で死ぬことも!?
HIVは、ヒト免疫不全ウイルスというウイルスの名前です。
エイズ(AIDS)は後天性免疫不全症候群の略称で、HIVに感染した方が、免疫力の低下により指定の合併症を発症した状態のことをいいます。
かつては、HIVに感染すると、最後は死を意味していましたが、現在の治療が登場した1996年頃からは、慢性疾患の一つになりました。
最近では、治療の状況が良い人から、HIVはうつらないこともわかってきました。
通院治療を続けることで、健康を維持することができ、仕事や日常生活をそれまでと同じように行うことができます。
ただしエイズは、発症してから治療をしない場合、余命は2〜3年と言われています。
HIV・エイズの症状は?無症状の時期も!
HIVに感染しても、すぐにエイズになるわけではありません。
エイズを発症するまでには3段階あり、その期間は個人差があります。
日本では、エイズを発症してから初めて、HIV感染を知る方が約3割います。
エイズ発症後の治療は、発症前と比べて難しくなるため、より高い治療効果を得るためには、HIV感染を早めに発見し、早期治療を行うことがとても大切です。
症状を確認して、もしもの場合に備えましょう。
HIVの初期症状
HIVに感染すると、2週間目から4週間目の間で、ウイルスが体内で急増します。
この期間に、初期症状として発熱やインフルエンザに似た症状、筋肉痛などが出ることがあります。
個人差はありますが、数日から数週間後に症状は自然と消える場合が多いようです。
無症候期
初期症状が落ち着くと、次に何も症状が出ない無症候期が数年から10年程続きます。
この期間は人それぞれなので、15年経っても症状が出ない人もいれば、2年程でエイズを発症するケースも少なくありません。
この時期は自覚症状がないので、HIVの検査をしなければ、感染しているかどうかを自分で気づくことはできません。
症状がなくても、HIVは体内で増殖しており、免疫力は徐々に低下していきます。
エイズの症状
適切な治療を受けずにそのまま過ごしていると、免疫力が低下して、健康な人なら感染しないような病原体による日和見感染症や悪性腫瘍、神経障害などの末期症状が出ます。
厚生労働省がエイズの診断基準として指定する23の疾患のうち、どれか一つでも発見された時点でエイズを発症したと診断されます。
エイズと診断される感染症一覧
エイズ発症の基準とされる合併症を、厚生労働省では以下のような疾患を指定しています。
・カンジダ症
・クリプトコッカス症
・ニューモシスチス肺炎
・コクシジオイデス症
・ヒストプラズマ症
・クリプトスポリジウム症
・トキソプラズマ脳症
・イソスポラ症
・非結核性抗酸菌症
・化膿性細菌感染症
・活動性結核
・サルモネラ菌血症
・サイトメガロウイルス感染症
・単純ヘルペスウイルス感染症
・進行性多巣性白質脳症
・カポジ肉腫
・原発性脳リンパ腫
・非ホジキンリンパ腫
・浸潤性子宮頸癌
・反復性肺炎
・リンパ性間質性肺炎/肺リンパ過形成:LIP/PLH complex
・HIV脳症
・HIV消耗症候群
どの疾患になるかは人によって様々ですが、上記の疾患が確認された段階でエイズを発症したと診断されます。
適切な治療を受けない場合には、2〜3年程で亡くなると言われているので、早期発見が重要です。
感染の原因は主に3つ!
HIVの感染力は弱いため、日常生活をしていて、性行為以外でうつることはまずありません。
例えHIVに感染したとしても、唾液や涙、尿などの体液には、他の人に感染させるだけのウイルスの量は分泌されないのです。
また感染は、膣や口腔内などの粘膜や、血管に達するような皮膚の傷などから起こるため、傷のない皮膚からは感染しないようです。
適切に予防をすることで感染リスクを抑えられるので、主なHIVの感染経路を3つ確認してみましょう。
1.性交渉
HIVの感染で、最も多い感染経路は性行為による感染です。
HIVは主に血液や精液、膣分泌液に多く含まれており、相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口を通ってうつります。
コンドームを正しく使用することは、HIVを予防する有効手段です。
2.血液による感染
HIVを含む血液の輸血や、覚せい剤などの依存薬物の使用時に注射器を共用することで感染します。
日本国内で献血された血液は、厳重な検査を行って安全性を確保していますが、HIV感染の可能性を完全には排除できません。
薬害エイズ事件で問題となった血液製剤は、現在は加熱処理が行われているので、感染の心配はありません。
3.母子感染
母親がHIVに感染している場合は、妊娠中や出産時、授乳時に赤ちゃんへ感染する可能性があります。
現在では、母親がHIV感染症の治療薬を服用し、出産は帝王切開に切り替えることで、赤ちゃんへの感染リスクを1%以下に抑えることができるそうです。
また母乳を与えずミルクを使用することで、安心して赤ちゃんを育てることができます。
日本の現状は?4年ぶりに感染者が増加?
2016年頃から日本における新規HIV感染者数は減少傾向でした。
ただ2020年には、新規HIV感染者が大きく減少し、逆に新規エイズ患者数が4年ぶりに増加しました。
新型コロナウイルス感染症の影響によって、検査機会が減少し、診療の遅れがあったのではないかと考えられています。
厚生労働省の報告によると、2021年のHIV感染者年間新規報告数は742件で、AIDS患者年間新規報告数は315件と、再び減少しています。
今後も、必要なときにすぐ検査を受けられる環境を整え、診断を遅らせないことが、エイズの予防には大切だと言えそうです。
検査は匿名・無料でできる!郵送もOK!
HIV検査は、全国の保健所や自治体の特設検査施設で無料・匿名で受けることができます。
自分が住んでいる地域以外の保健所でも可能です。
検査は、スクリーニング検査と確認検査の2段階の検査があり、スクリーニング検査で陽性が疑われる場合には確認検査を受け、約1〜2週間後には結果がわかります。
誰にも会わずに自宅で検査をしたい方は、民間会社などの「プレ検査」という方法があります。
インターネットで申し込みを行うと、郵送で検査キットを送ってもらえ、自身で採血したものを返送すれば、結果を知ることができます。
ただし陽性の可能性が疑われる場合は、病院や保健所でしっかりと検査を受ける必要があります。
検査を受けるタイミングは、危険な行為から3ヶ月以降が望ましいとされていますが、不安がある方は、各相談機関が行う電話やLINE相談を利用してみましょう。
エイズになった芸能人から学ぶ「命の尊さ」
今回は、HIV・エイズになった芸能人を紹介して、どんな病気なのかをまとめてみました。
かつては「不治の病」と言われましたが、今では適切な治療で発症を抑えることができます。
エイズで苦しまないために、感染予防や検査をして、自分と大切な人を守りましょう。